FFシリーズで最高傑作はどの作品か?ということで人気投票をすると、たいてい7か10が1位になる。

人それぞれ思い入れのある作品が違うので、どれが一番というのも無粋な質問だという気もするが、とりあえず人気があることは間違いない。

 

加えて、シリーズで最も売れたのは8。

また、派手さはないものの、プレイした人の評判がいいのは9。

 

すべてPS4でリマスター版が遊べるので、気になる作品があればやってみればよいのだが、どの作品にも「今やるにはちょっと難あり」な要素もあり、期待するポイントを間違うとクリア前に辞めたくなるかもしれない。

おススメポイントもあれば要注意ポイントもある。それがFF7~10なのだ。

 

それというのも、ファミコンからスーパーファミコンになった時の大きな進化と同じようなレベルの劇的な進化が各作品ごとにあったのが大きい。

ゲームの製作費も数十億という規模になり、製作期間も1年や2年では収まらないレベルになっている。

それゆえ、FF7~10が製作された90年代後半から2000年代初頭にかけては、シリーズのナンバリング作品でありながら、それ以前の作品と全く世界観や作風、キャラクターデザインやゲームシステム、はたまたハードの性能が異なる、という時代だった。

 

今ではチープに見える部分も少なくないかもしれないが、それはFCからスタートしたビデオゲームが、今日のようなスーパーハイレベルなCGやUIが当たり前になる以前の、いわば「進化の過渡期」に生じた試行錯誤であったため、何がどう進化していったのか、その流れというものをざっくりと押さえてもらえれば、そうした要素も味わいとして楽しめるのではないかと思う。

 

FF7での進化

●グラフィック

ハードがPSになったことに伴い、それまでの2次元ドット絵から、3DCGのポリゴンに。

ムービーも完全3Dで描かれるようになった。

特別なイベントでなくても、フィールド移動で場面が切り替わるごとにカメラ位置が変わり、映画のカット割りのような表現が初めて採用された。

●システム

従来4名(FF4だけ5名)だったパーティーは3人編成に。

●ストーリー

媒体がロムカセットからディスクになり、容量が飛躍的に増えたため、ストーリーも重厚かつ複雑な内容に。

特に7と8では、機械文明が発達した近未来的世界が舞台になっている点も大きい。

▲今遊ぶときついところ

・2Dの遠近法で描かれた絵の上を3Dのキャラクターが拡大・縮小しながら移動していく、という技術が使われているのだが、結構浮いていて不自然なところもある。(この技術は今日の作品、たとえば7リメイクでも使われている。)

・あまりにも縮小されすぎて見えなくなるところや、2Dのグラフィックに隠されたアイテムなどを発見するのが困難なところがあり、リマスター版では印が出るようになっている。

・ゲーム内のミニゲームはどれも超原始的なポリゴンCGで、今ではとても楽しめる代物とは言えない。

 

FF8での進化

●グラフィック

圧巻のムービーシーン。

20年以上前の作品だが、今見ても相当すごい。

また、涙で潤んだ瞳の表現や、喜怒哀楽を反映した顔面の筋肉の動きなど、(今となっては当たり前だが)人間の動作や表情がCGと思えないほどリアルになり、映画を見ているようなクオリティに。

このころから映画と言っても通用するようなクオリティのムービーシーンが増え、その取り組みが本格的になっていく。

※のちに映画を作って大失敗して倒産寸前まで追い込まれるという黒歴史にもつながる。

●音楽

初めて「主題歌」が作られるようになった。

フェイ・ウォンのEyes On MeはFFファンでなくとも必聴の名曲。

この曲は日本ゴールドディスク大賞で洋楽のソング・オブ・ザ・イヤーになり、レコード大賞でアジア音楽賞を受賞。

50万枚の大ヒットとなった。

※ちなみに、今日この曲の音源を手に入れる方法は『ファイナルファンタジー ヴォーカルコレクション』というアルバムを買う以外にない(と思う。)いい曲なのにな~。

▲今遊ぶときついところ

「調べる」ボタンが発動する場所に立つのも一苦労。3Dと2Dのかみ合わせがストレスになることも。

それとは別に、ゲームシステム面での難点が多いのは後述。

初めて遊ぶFF作品としては、正直お勧めしない。

 

FF9での進化

★実は、FF8はグラフィックや音楽などの見どころもあり、実際セールス的にもFFで一番売れた作品なのだが、評価は必ずしも高くない。

あまりにも斬新な戦闘システムと、情報なしでは攻略がかなり難しいという難易度の高さもあり、「クソゲー」とまで評する人もいる。

エンディングを見た人ならこのゲームシステムやストーリーの真意も分かるのだが、そこに至るまでに耐えなければいけないことが多すぎる。

 

というわけで、FF9では「原点回帰」というのが制作上のスローガンになった。

●ストーリー/世界観

6・7・8で、科学技術によって発展を遂げた近未来的世界観の作品が連続して作られたが、中世的なファンタジーの世界観、また多少デフォルメを施した可愛らしいデザインのキャラクターに戻り、ファミコン時代からのファンが「これぞFF」と納得するような作風に戻った。

●集大成としての作品

ウィキペディアによれば、「過去に感謝と離別を告げる作品」だそうで、いたるところに過去作へのオマージュがちりばめられている。

「ガーランド」というストーリー上でも重要な意味を持つ敵が出てくるが、実は1作目の最初のボスと同じ名前。

これに象徴されるように、本作は1作目から続くすべての作品の集大成になっている。

「離別を告げる」というのもいささか寂しいが、実際、FC時代からの進化の歴史はここで一旦終わりを迎えたと言ってよい。

9または10でFFは一度終わっている、という声もよく聞く。

▲今遊ぶときついところ

9に限った話ではないが、7~10はとにかく戦闘時の画像処理とエフェクトや召喚魔法の演出に異様に時間がかかり、遅くてしんどい。

一番遅いのが9。

戦闘のテンポの悪さが致命的で、その結果プレイ時間も長くなってしまう。

リマスター版ではどの作品も2倍速・3倍速といった機能が実装されているので、その点でも遊びやすくなってはいるが、全部早送りしていると知らないうちにピンチになっていたりして、これまた面倒。

 

FF10での進化

●3D+声

ハードがPS2になり、フル3D&フルボイスで作られた初の作品。

全く個人的な意見だが、FF9が「それまでやってきたことの集大成」だったとすると、FF10は「それまでやらなかったこと、やりたくてもできなかったことの集大成」という印象で、9と10は陰(10)と陽(9)の関係に思える。

●グラフィックが別次元に

8からさらに進化したCG。ムービーはものすごい。

風になびく1本1本の髪の毛や、頬を滴り落ちる汗、もはや実写と遜色ない。

CGで作られた超リアルな美男美女と、幻想的な景色。

そこにCVも付いているのだから、エンターテインメント体験としてゲームが数段階上のレベルに達した、そんな作品。

●謎の多い独特の世界観とストーリー

FFのナンバリング作品というのがにわかに信じられないような、超独特の異質な世界観。

宗教色もあり、アートワークも癖が強い。

正直、仮にFFの名を冠していなくても、特に違和感ない、独立したRPGだ。

シリーズの代名詞である「オープニングテーマ」が一度も使われていない作品でもある。

(他に「オープニングテーマ」が使われなかったのは2だけ。)

ストーリーは伏線を回収しながら最後に謎が解き明かされる非常によくできた構成で、感動的な場面も多く、シリーズ最高傑作との呼び声も高い。

●あまりにも評判が良すぎて調子に乗って10-2という作品が作られたが、これは非常に評判が悪かった。なぜかは…検索してみて。

▲今遊ぶときついところ

フル3Dになったとはいえ、ムービーシーンと通常のシーンとのクオリティのギャップがすごい。

眼球の動きなどもちょっと気持ち悪い。

慣れればどうということはないが、フィールドの移動ももっさりしていて、カメラ視点も無駄にコロコロ変わるので、最初のうちはこれもストレスになるかも。

あと、画面全体の「色」。これはクリア後の今となってもアクが強すぎて個人的には好きになれない。

 

あくまで個人の意見だが、こんな情報も耳に挟んでからの方が、どんなゲームか全く知らずにプレイするよりいいのではないかと思う。