※ネタバレアリ

 

 

 

 

 

 

エンディングまでプレイ。

自閉的なリンドウ君とツンデレ娘ショウカちゃん、最終的には恋愛感情が芽生えるというハッピーな展開。

いいっすね。

それでは、よかった点悪かった点を。

 

3Dアニメーションの表現力

アニメシーン、このアメコミ風のデフォルメ画は平面的な表現が持ち味なのかとも思ったが、いやはや、3Dでも違和感がない。(素人の考えでは、実は魚眼レンズっぽいカメラ視点によって、背景などもデフォルメされていて、この表現を3Dに落とし込むための工夫は気づかないようなところに丁寧に織り込まれているのではないか、という印象。)

迫力があるうえにキャラクターの表情が豊かで、これだけで一つの芸術と言ってよいと思う。

リアルな写実的グラフィックもものすごく進化しているが、アニメーションもまた、新たな領域へと表現力を格上げしたのを感じた。

 

アートワークと音楽

3Dのみならず、全体のアートワークや音楽の演出によって、一つの世界観が徹底的に描きこまれていた。

今やノリのいい音楽は名作と呼ばれるゲームには必須なのではないだろうか。

 

全員同時操作のアクションバトル

かなり独創的な戦闘システム。

アクションRPGの可能性を探求したチャレンジングな内容だった。

さすがRPGのパイオニア、スクエニ。
以後これをたたき台にした作品も生み出されることと思う。

 

最後の最後であらゆる伏線を回収するストーリー

今年遊んだアライズとヴェスペリアというテイルズ2作品は、エンディングがそっけなくて、ボリュームのある本編の最後が尻すぼみな印象だった。

一方の新すばせか。

最終週、特に最終日までがとにかく長くてダレる。

正直最終日まではストーリーの評価70点台だったが、最後の最後で描こうとしていたことが分かり、80点台まで出してもいいかな、という気になった。

最後の最後に、それまで中身スカスカに思えた会話や布石に意味があったことが分かり、エンディングのカタストロフィが近年まれにみる体験になった。

基本ハッピーエンドで俺好みだったし。

 

納得しやすいラスボスの立ち位置

時間を巻き戻すことによって生じたひずみがたまったもの(本来存在していたはずの思念が行き場を失って蓄積されたもの)、という考え方は、納得しやすくて面白い。

はっきり言ってラスボス戦は楽勝で、ただ長くて面倒なだけだったが。

セフィロスよりも、ずっと納得しやすいです。

 

前作未プレイではよく分からない要素が多い

前作のストーリーを知らないと、やっぱり十分楽しめないと思う。

最終盤で「誰だお前?」的なキャラがかなり重要なポイントを担うので、「あ、これは前作やってないと理解できないところなのね」という「あきらめ」が生じ、謎を理解しようとすることをあきらめだした自分がいた。

 

最後までよくわからない謎・ウザい死神たち

スクエニ作品では、ゲームボーイの「魔界塔士Saga」(私が初めて遊んだRPGだ。懐かしい…)で、ラスボスの「神」が人間をもてあそんでゲームをしていた、という話になっていたはずだ。

今作でも、死神やら天使やら、そういう連中によって、リンドウ君たちが死神ゲームに巻き込まれ、消滅や崩壊の危機にさらされることになる。

この神だか悪魔だかよくわからない奴らがとにかくウザい。

ギリシャ神話の神々も、ただ強大な力を持っているというだけで、やたらと業が深い俗物ばかり、なおかつ残忍、という感じだが、それに近い。

彼らの目的は最後までよくわからないが、そうやって人間や街の存在を自在に消すことができるという意味では「神」であり、「神がたわむれに作ったすばらしきこのせかい」という理解で良いのかな、と思う。

 

意外と残酷な話

たとえば何の罪もないはずなのに死神ゲームに巻き込まれて消滅させられてしまったカノンさんみたいな人は、どう成仏するのだろう?

可哀相すぎるでしょ。

理不尽極まりない。

他の死神連中も、最後は渋谷を守ったいい奴、みたいになっているけど、犠牲者の供養はどうした。

「死」に対する認識が作品中ほとんど顔を見せないというのは違和感があった。

 

「ハッカー」最強説

ペルソナ5の双葉と同様、今作にもライムという女の子(ビイトの妹)が登場し、天才ハッカーとして最後の問題を解決する。

この、「困った時のハッカー頼み」なストーリー展開は、個人的に立て続けに2連続で見たので、いささか興ざめした。

 

飽きる、ダレる、面倒くさい

これまでにも記事で書いたが、代わり映えのしない狭いマップ、やたら高いだけで効果が実感できない装備、種類が多いだけで育てるのが面倒なバッジ、「ルーラ」が使えない移動、内容のない会話(しかも時間巻き戻しで同じセリフを何度も読まされたりする)、一本道のストーリー…。

この作品の雰囲気やキャラが大好き、という人でないと、正直苦痛になる時間帯が誰にもあると思う。

ノリのいいBGMも、歌詞をよく聞いてみると結構ダサかったり…

 

さて、5つずつ箇条書きにしたところで、総合評価。

 

新すばらしきこのせかい、採点は…

79点!!

 

アートワークや3Dアニメーション、最後にどんでん返しのストーリー、今時の若者の世界のリアルな描かれ方、そして斬新な戦闘システム等、光る要素はふんだんにちりばめられた作品であることは間違いない。

 

しかし、とにかくどうでもいい内容の会話が長すぎたり、腑に落ちない謎が多すぎたり、解決しない理不尽の多さと感情が揺さぶられる場面の少なさで、どうにもRPGとしての没入感に欠ける、ということもはっきり感じた。

 

FF・ドラクエ的なRPGの伝統を権威として崇めるのではなく、むしろ「何それ、おいしいの?」という感じで軽々と踏み倒して見せる度胸のようなものはビンビン伝わってきた。

新しいRPG、新しいゲーム体験、これからも期待している。

ゲーム作っている人たちって、本当にすごいなあ…