●アレクセイ撃破
もう、50時間以上やっている。
アクション下手なもので、十分レベルを上げてからボスと戦っているのだ。
アレクセイを倒すため、レベル50まで上げ、ユーリ・リタ・レイヴン・エステルの布陣で挑んだのだが、相手の回復の速度にこちらの攻撃の速度が追い付かず、削り切れなかった。
ボスにありがちな全体大ダメージの大技によって回復アイテムが枯渇し、1回目はあえなく撃沈。
そこでリタをはずし、アタッカーを二人(ユーリとジュディス)にして、相手の回復より削る速度が速くなるように編成し直した。
結果、あっさり勝利。
続きのストーリーも、精霊の登場まで進めた。
●「精霊」という概念。テイルズ風味とは?
ここで、「精霊」なんだ。
リタのよくわからない空想科学についていく気力が失せてしまっていたところに、アライズのラスボスの名が登場するものだから、正直面食らった。
しかし、これでテイルズシリーズのシナリオがどんな考えで作られているのか、少し分かった気がする。
地水火風からの「精霊」。
ドラクエで言えば「オーブ」。
FFで言えば「クリスタル」。
ファンタジー世界の神秘的な力の象徴だ。
シリーズの他の作品のことはよくわからないが、アライズとヴェスペリアには共通点が多くあり、その一つが、「悪を倒すこと」ではなく、「神秘的な力の謎を解いて世界を救うこと」が最後のゴールになっている、ということだ。
それがテイルズ風味なのだと理解している。
●ドラクエとの差別化
テイルズのシナリオは、善悪の対立を単純に描くことは意識的に避けているように思う。
悪い奴をやっつけて世界を救うこと。
それはRPGの王道には違いないが、「勇者と魔王」ではドラクエとの差別化ができない。
むしろ、スキット&CVを活用して仲間の成長と絆を描くこと、ファンタジー世界を成立させている神秘的な力の謎を解くこと、そしてその「神秘的な力」は世界の破滅と救済に大きく関わっており、特別にその力にアクセスできる主人公またはヒロインの苦悩や活躍を描くことを主軸に構成されている。
それは、そういう表現がしたい、というより、そういう表現をするしかない、ということなのかもしれない。
テイルズ最大の特徴は、あらゆる制約に自覚的であり、それらを解消するアクロバティックなバランスに並みならぬ神経を使っている点にあると思う。
JRPGの原点は、やはりドラクエだ。
FFも、ファミコン時代は先行するドラクエを追いかける形で歴史を作ってきた。
分かりやすくはっきり言ってしまえば、ドラクエのパクリだったわけである。
もちろん、グラフィックや音楽、ストーリーなど、ファンタジー世界の表現で独自の差別化を図り、実際見事に成功したからこそ、30年以上たった今でもナンバリング作品が作り続けられているのだが。
テイルズも、ドラクエを参考にしていないはずはない。
FFよりむしろ、ドラクエに近い作品だと思う。
FFと同じ土俵、たとえば音楽と映像で勝負するのは分が悪い、これは誰もが思うことだろう。
ベースはあくまでドラクエ的王道にして、アニメ表現と戦闘システムでオリジナリティを出すこと、このゲームにおいてはこれが最大の課題だと言える。
この難しいミッションの達成度が、作品の評価に大きく影響することになるのだろう。
●連続TVアニメのような章立て
連続アニメのように、1つのエピソードの中に起承転結があるような構成を感じる。
初めて訪れた場所ではその町やダンジョンの名前がちょっとした演出とともに表示されるので、「第○話」のような章立ての印象が残る。
実際そうしたチェックポイントごとに主人公たちの身の回りの分かりやすいショートストーリーをこなしていくと、自然に話が展開していく形になっている。
これはこれで、長い物語を無理なく進めるうえでも、分かりやすさへの配慮はあってよい。
アニメ的表現へのこだわりの一部ととらえたい。
ただし、登場人物が多すぎることと空想科学の説明が唐突かつ複雑すぎることで、置いてけぼりになる感覚は否めない。
世界内専門用語の多さと一つの会話の情報量の多さ、途中までは私もメモを取りながらでないと理解できなかった。
ここに関しては、FFのような映画的な表現(カメラワークや同時刻での場面切り替え、言葉以外の描写)をもう少し活用すべきだと思う。
特にエアル、ブラスティア、アパティア等のゲーム内専門用語をふんだんに用いた空想科学の説明は、一度にたくさんの無茶な前提が重なって、理解する気力もなくなる、という始末だった。
また、複数のギルド個々の思惑や、立ちはだかるボスについても伏線や情報が少なく、急に現れて、戦って、いなくなる。
しかもそれぞれモンスターとはあまり関係のない立ち位置で、最初からずっと、何と戦っているのかがぶれ続けている。
他のRPGもクリアまで60時間ぐらいかかるものは多かったが、そこまでプレイしていなくてもとにかく今作が長く感じるのは、一貫して戦い続けている敵や、追い続けている謎が存在しないことに理由がある。
正直、ここはマイナスポイントだ。
悪い意味でも、非常にアニメっぽい。
ただ、アニメをほとんど見ない私だったが、テイルズをやって、少し興味を持った。
アニメはどうしても、「オタク的」というか、「現実逃避的」というか、表現というより一部の人の趣味趣向に迎合して作られた「商品」という印象がぬぐえず、敬遠していた。
しかし、セル画によるパラパラ漫画の時点から想像もつかないほど進化した現在のアニメーションで、その表現力には実写とは別の魅力がある。
また、声優さんの演技力、というのも、これまた味わい深いものを感じる。
ゲーム×アニメのテイルズが、その魅力を教えてくれた、という要素は少なからずある。
ヴェスペリアもまた、やってよかったゲームと言ってよいのではないかと思う。