長かった。

 

やっと、パーティーメンバーそれぞれの動機が一つにまとまった。

 

ユーリ…正義(∽極道)を貫きたい

エステル…世界を破滅させうる力を持つ?自分が何者なのか知りたい

カロル…ギルドの世界(=大人(任侠)の世界)の壁につまずきながらも一人前になりたい

リタ…エアルとブラスティアの研究者であるとともに、大切な友人エステルを救いたい

ジュディ…クリティア族として、エンテレケイアを保護するとともに、世界の破滅を回避する使命を果たしたい

レイヴン…人魔戦争経験者。切腹したドンからギルド(組)を任された。アパティアを狙う連中がドンの仇ともいえる。

 

※ラピード&パティはおまけ。

 

というわけで、ようやく全員の動機や素性が明らかになるとともに、共通の目的のために行動できるようになった。

ここまでが長すぎる気はするが、こうして回収されてみると、それぞれのメンバーがこの物語を織りなすうえでなくてはならない存在だったということが腑に落ちる。

 

物語の構造をキャラクターに視点を置いてちょっと考えてみたい。

 

①お姫様との出会いから始まる「王道」

男1・女1の出会いで始まる場合の展開は、基本構造がほぼ例外なしで決まっている。

FF9は主人公ジタンとお姫様ガーネットの出会いで始まる。

アライズはアルフェン(王)とシオン(巫女)だ。

お姫様ではないが、FF10のユウナも「世界の運命を左右する特別な血統」であることは同じで、ティーダとユウナの出会いから始まる。

二人はお互いに特別な星のもとに生まれており、脚本によって本人がそれを知っている場合とそうでない場合があるが、いずれにせよなぜ特別なのかは謎、ということになっていて、その謎を解き明かすことが物語の一つの軸になる。

おっと、図らずも、今回の例では全部カップルになっている。

そういうものなのか。

 

②「特別な力」の謎を追うストーリー

主人公となる男女の「存在の特別さ」の描き方として、最も分かりやすいのは「ドラクエ」だろう。

ドラクエの場合、「勇者」であることには「なぜ」も減ったくれもない。強いて言うなら「ドラクエだから」である。

勇者なのだから、お姫様が困っているのだから、そしてそこにドラゴンがいるのだから、戦うに決まっている。

ゲームとしての、清々しいまでの単純さだ。

 

それでは単純すぎるのでもう少し深みを持たせたい、となると、世界の根源的エネルギーにアクセスできるとか、召喚獣が呼べるとか、そういう「超能力系」がもう一つのパターンになる。

この場合、そのエネルギーの正体や原理について、本質的には荒唐無稽なのだがある程度それらしい屁理屈も必要になり、ゲーム内専門用語が多数出てくることになる。

これをちゃんと理解するのは概して面倒くさい。

 

③生まれつきの特別さではない場合のバリエーション

FF7のクラウドやFF9のジタン、アライズのアルフェンのように、特別な力は人体実験の産物である、というパターンもある。

その場合、主人公は自分の秘密を自覚できていないから、「俺は何者なのだ?」という苦しみと向き合いながら、仲間に助けられつつ進むことになる。

 

あるいは、今回のヴェスペリアのように、「能力」ではなく、「罪」である場合もある。

これはこの脚本の一つの特徴だろう。

ユーリは魔法を使うことはできない普通の人間だが、悪徳執政官二人とギルド(=ヤクザ)の親分を一人殺したうえで、自分の「組」を持っている。

仲間でも友でも斬るときは斬る、という覚悟だ。

それは「自分の正義」を貫くためなら修羅の道をも歩むということであり、堅気の道とは違う、文字通りの極道なのだ。

こういう任侠ヤクザ的世界観で男性キャラ3人をつなぎとめたのはユニークだと思う。

ユーリ、カロル、レイヴンがそれぞれ、現在、未来、過去の「義」を求めて生きている点も面白い。

こういうのを見ると、やっぱり男と女は本質的に違う生き物だと思う。

イマドキはやらない考え方かもしれないが、私はこっちの方が好きだ。

 

④成長を見守る者

レイヴンの酔狂の武士のような服装は、FF10のアーロンを思い起こさせる。

年齢も大体同じだ。

命懸けで峻烈な戦いを潜り抜けた過去がある。

FF10もパーティーメンバーが若者だけで構成されており、アーロンがいろいろな意味で未熟な若造たちを引率する「先生」だった。

レイヴンの場合はいささか立ち位置が異なるが、フラフラした適当なコミュニケーションスタイルとは裏腹に、時に血を必要とするギルドの掟の何たるかを十分に理解している「大人」であり、ユーリの覚悟を遠巻きに見守っている。

若いメンバーの「成長」が物語の一つの軸である場合、それを見守るキャラクターが必要なのである。

 

⑤多様性という魅力

RPGの魅力の一つは、多様な個性を持ったキャラクターが、仲間を守るためなら命も捨てる覚悟で互いに助けあい、世界を救う旅をしているところだ。

こういう雰囲気は、とても良い。

まさに、みんな違ってみんないい。

その多様性は、年齢、ジェンダー、性格(キャラ)、見た目、戦闘スタイル、さらには動物種に至るまで様々だ。

今回はジュディが耳の尖った「クリティア族」である。

FF10には角のついた「ロンゾ族」のキマリがいた。

たいていRPGの「○○族」というのは、先祖代々受け継いでいる伝統的な使命があり、世界の秘密のカギを握る神秘的な能力を持っている。

しばしば絶滅危惧種。

 

⑥陸、海、空。

マップの移動手段のこと。

最初は徒歩。

FFならチョコボもあり。

その後船。

最後は飛空艇、フェニックス、空飛ぶクジラ、宇宙船etc…

これはお決まりの構成なんだろうな。

クジラ、DQ11よりヴェスペリアの方が先だったんか。

 

一つ、ヴェスペリアのマップについて言及すると、見づらい。

何がどこにあるのか分からない。

もっと地名とか表示されるような仕様にして欲しい。

マップ画面がいちいち切り替わるわずらわしさを軽減しようとしたのだろうが、全体地図を薄く透けるようにかぶせられてもどっちも見づらいがな。

 

⑦魔法少女・ストーカー・古代生物…世界の謎の解説者

研究熱心で多弁な魔法少女。

リタとリンウェルはほぼ同じ立ち位置だ。

説明には、専門家が必要だもんね。

 

執拗にストーキングして来るセフィロス的なキャラも、世界の謎をよく知っている。

もったいぶってすぐには教えてくれないが、最後には全部しゃべってくれる。

しゃべり終わると、「話はここまでだ…死ねい!!」となり、最終戦に突入。

テンプレです。

ヴォルラーンは説明するほどのネタを実は何も持ち合わせていなかったという時点で、正真正銘ただのストーカーに成り下がってしまった。

悪役としては好きだったのに…残念至極だ。

 

あとは、何百年も生きている人の言葉を話せる生物とか。

「神」という反則技もある。

 

それでも話せる人がいないときは、「過去の出来事が分かるVTRを視聴できる」というアクロバティックな方法がある。

DQ11やアライズにはそのパターンがあった。

 

知ってるならさっさと教えてくれ、世界の謎。

…それじゃゲームにならないか。

 

というわけで、ヴェスペリアはたぶんそろそろ佳境だと思うのだが、やりこみ要素までは手を出さんかな…。

ひとまず、じっくりストーリー味わいます。