※ネタバレアリ

 

さて、しばらくハマったテイルズオブアライズ。

なかなかの傑作だったのだが、ネットでいろいろな人のレビューを見て、大いに共感するところもあり、この作品に対する私の評価も固まってきた。

それは、

 

「惜しい力作」。

 

先日の自分の記事で、「傑作」という言葉も使った。

うん。

確かに傑作なのだ。

しかし、同時に「惜しい…」と感じる要素も多々あり、いわゆる「神ゲー」の領域には届かない、というのも正直な感想だ。

 

たくさんあるので、①キャラクター ②ストーリー ③システム・その他 に分けて記録しておこうと思う。

まずは①キャラクター から。

 

ゲームであるが故、ある程度の「都合のよさ」は仕方ない。

たとえば、大海のど真ん中で船ごと沈められたのに、全員無事に同じ浜辺に漂着する、というのはありえなさすぎる。

そこは、ゲームだから目をつむろう。

しかし、キャラクターはそうした都合を考慮したうえでも、一人の人格としてつじつまが合うように作れると思うのだ。

そのあたりの「人間」の描き方に、もう少しこだわって欲しかった。

以下、気になった人を個別に。

 

1)キサラ

今回のパーティーメンバーの中では一番つじつまが合わない人物。

尊敬していた兄ミキゥダの話をしだすと止まらなかったり、親友とどれだけミキゥダのことを知っているか張り合ったり、相当なブラコン。

にもかかわらず、テュオハリムの前で兄を反逆者と呼ぶなど、話としておかしい。

普通、そこまで愛していたり尊敬していたりする相手なら、どんなことがあってもその人の味方でいようとするものじゃないだろうか。

世間では反逆者扱いされているけど、私だけは信じている、みたいな。

 

ミキゥダが死んだ場面で取り乱して泣きわめいた挙句、忠義を尽くしてきたはずのテュオに八つ当たりに近い形で恨みをぶちまけたシーンは、正直かなり違和感があったし、いろいろなレビューで同じような指摘がされていた。

20代後半の年齢設定だと思うのだが、大人の女性としてもう少し感情表現は繊細であってほしかった。

 

また、期待していたほど偉大な人物でなくとも、奴隷から解放してくれた上に近衛兵という仕事まで与えてくれたのだから、ミキゥダ同様、テュオも恩人のはずだ。

 

さらに言えば、アルフェンやシオンよりたぶん年上の、7年前に解放された奴隷、ということだから、成人するまで十分な教育を受けていないはずである。

にもかかわらず、そんな生い立ちを微塵も感じさせない、由緒正しい家柄で英才教育を受けてきたような立ち居振る舞い。

ちょっとキャラクターとして破綻している気がする。

 

一方のテュオは、スルドとして生活上の心配を何一つしなくていい身分だからこそ、「変わり者」として他の人がしないような考え方ができるわけで、実際「こういう人、いるよね」という感じがする。(もっと言うと、自分とよく似ていると思う。)

これが大事なのだ。

 

「そんな奴いねえよ。」と思わせるような、アニメや漫画のキャラクター、私はあれが嫌いである。

だから、「エドナ」という隠しキャラは気持ち悪いだけだった。

幼い体に下着のようなロリコン衣装で、「土下座、土下座」などとつぶやきながら理不尽な効果の魔法を連発する。

ね、「そんな奴いねえよ。」でしょ。

作り手に、「人間」を描くことへのこだわりが足りないか、「人間」に対する理解が足りないと思う。

 

2)ロウ

確かに父ジルファは直接的にはガナベルトに殺害されたのだが、もとはと言えばジルファが捕まってしまったのはロウの責任が相当大きいわけで、罪悪感にさいなまれたり、自罰の念に駆られたりしてもおかしくないのに、やたらと朗らかに生きている。

 

アルフェンを兄貴分として慕っていたり、直情径行、猪突猛進的な素直な性格は、一昔前だったら主役だった。

ほぼ全員が生真面目なキャラなので、実はトリックスター的なポジショニングなのかも。

 

戦闘においては危険な範囲攻撃を仕掛けてくる敵にひるむことなく突撃して、何度もCPとライフボトルを浪費する問題児。

お前、また死んだのか!!1回の戦闘でいくらかかってると思ってるんだ!!

 

3)アウメドラ

平安時代の貴族がしゃべっているような難しい言葉を使う。

「御覧じろ(ごろうじろ)!」って、聞いたことある?

なかなかクセの強い、面白いキャラだと思う。

リンウェルの敵役としても申し分ないサイコパス女、見た目も露出狂のおばさん魔女で、ファンタジーゲームの敵キャラとしてはもはやテンプレなのかもしれないが、セリフ回し(声優さんもうまかった)の良さも相まって、いい味出していた。

 

ところが、レナの精霊が仕組んだ偽物の王位決定戦に出馬した、一族の利益代表に過ぎない、という事実がのちに明らかになり、マスターコアの力で奴隷を搾取し続ける大悪党が一気に田舎の世襲議員のような小物にスケールダウンしてしまう。

恐竜やドラゴンのような怪獣を召喚する割には散り際もあっけない。

これはアウメドラに限らず、他のスルドも同様。

 

4)ヴォルラーン

セフィロスと大いに被る、強くてかっこいい、執拗に主人公を追い回すストーカー。

モーションが特に見事で、殺陣のムービーシーンはすごくカッコよかった。

冷酷残忍な人間性に、威圧感のある声。

不気味なのにセクシー、なおかつ目的が分からずミステリアスな存在感。

 

前半までは、かなり期待した。

 

アウメドラの胴体を剣で串刺しにして、

「さえずるな、蛇めが。」

…痺れるわ…

 

ところが、ヴォルラーン自身も真の黒幕に操られていたこと、執拗にアルフェンを追い回すのはほぼ嫉妬(ルサンチマン)に近いことが分かり、がっかりしてしまった。

ずいぶんと勿体ぶった割に、動機がしょぼすぎる。

最後の最後で宇宙船に乗って異世界にまで追いかけてきたときには、「なんじゃぁ!こりゃあぁぁぁ!!」(松田優作風)だった。

 

とまあ、まずはキャラクター編の「惜しい」要素でした。