ゲームには、娯楽性のみならず、芸術性もある。
また、ゲームはあらゆる分野のトップランナーを集めなければ作ることができない。
映像、演出、脚本、音楽、の専門家、声優やミュージシャンやイラストレーター、それらのクリエイター達をコーディネートするプロデューサー。
そこにプログラマーやマーケティング、広報などの実働部隊もいるわけだ。
当然開発期間も費用も掛かる。
映画と同様、売れなければ多額の負債を抱え込むことにもなる。
だから、様々な分野の専門家が集合して一つのものを作る、というプロジェクトは、ビジネスとして失敗が許されない。
ハイリスクハイリターンの勝負となる。
また、最近では商品は一度売ったら終わりではなく、その後もリピーターになったり、ファンになったり、あるいは携帯電話のように利用し続けたりしてもらわなければならない。
いわゆる「プラットフォームビジネス」なんかはその典型なのだろう。
言葉を選ばずに言ってしまえば、どうやって顧客を「お金を払い続ける」状態にするか、ということが事業の持続や成長にとってカギになる、というわけだ。
テイルズオブアライズの製作元であるバンダイナムコ社は、ダウンロードコンテンツで課金をするという商法が目立つそうで、それもまた、ゲームを集金装置として機能させるための作戦なわけだ。
さすがに携帯で遊ぶゲームでなく、家庭用の据え置き機用の作品で、延々とDLCのポップが表示される、という経験は私も初めてだったが、一部のユーザーからはかなり批判を受けているそうだ。
まあ、無視すればいいだけなんで私はそこまで気にならなかったが。
こういうわけだから、例えばレベルが上がりにくい・お金が手に入りにくいというゲームとしての仕様に、「わざとユーザーに負荷をかけて課金に誘導する」という意図がないわけではないだろう。
最終盤で敵がやたらと堅いのもそういうことかもしれない。
男女3人ずつの編成になっているのも、女性キャラのセクシーなコスチュームで課金する目的があるかも。
テイルズオブアライズはストーリーもよくできていたし、グラフィックも素晴らしかったが、もっと「表現したいもの」「作りたいもの」にこだわれば、芸術性を一層高められただろう、という要素は感じる。
作品としてのゲームと、プロジェクトあるいは商業としてのゲームとの間で、常にせめぎあいがあるのだろう。
音楽・漫画・映画など、芸術活動は常にそうだ。
「描きたい絵」より「売れる絵」を描かなければならない、というジレンマ。
それを思えば、批判されているようなポイントも、今作なりの「バランス」として、私は受け入れられる。
発売1か月で100万本突破しているらしいが、リリースのタイミングも良かったのだと思う。
ドラクエ11とFF7Rの成功後、次回作がしばらく出ないことが分かっているところに、JRPGのもう一つの選択肢が出たとなれば、待ちきれなくなっているファンはひとまずそちらに流れてもおかしくない。
実際、私自身がそうだし。
ゲームメーカーには、ぜひこれからも良い作品を作り続けて欲しい。