テイルズオブアライズのユニークなポイントの一つに「料理」がある。

回復するための休憩時に持っている素材を使って料理を作ると、作る料理と調理担当のキャラによって一定時間戦闘に有利な効果が得られるようになる。

道中には様々な素材と料理のレシピが用意されていて、ちょっとしたコレクター要素を楽しむことができる。

 

また、新しく手に入れたレシピを特定の担当者で調理すると、仲間同士の会話(スキット)が見られる。

 

「お腹がすく」「おいしい・まずい」などは生理現象であって、そういう部分で親近感がわく、ということはあるだろう。

また、物語の進行とともにパーティーメンバー同士が仲良くなっていくのも、「同じ釜の飯」のなせる業かと思う。

 

仕事で出会う上司・同僚・部下・お客さんなどとも、食事をしながら会話をするとコミュニケーションが深まりやすいんだとか。

まあ、相手にもよるだろうけど。

恋愛でもそうかな?

 

RPGに必須、というわけではないが、ドラクエでも、「ぱふぱふ」とか「エッチな本」とかが出てくる。

あれも、「生理現象からの親近感」という仕掛けとして見ることができなくもない。

 

あとはFFのチョコボのようなユーモラスな動物や、ケット・シー(FF7)やクイナ(FF9)のような奇天烈キャラを登場させるかだ。

キャラで解決する場合、たいてい方言や語尾の癖で個性が着色されている。

クイナに関しては食べることが旅の目的だから、その意味では「生理現象」と「奇天烈キャラ」の掛け算だ。

 

こうして考えてみると、テイルズオブアライズは徹底的に「王道」で作ってある。

絶対に滑らないというか、外さないというか、そういうある種の「お決まりのパターン」だけで構成されている。

スクエニという王者がいる以上、テイルズ自体は「RPGそのもの」に挑む必要はないし、「新しいRPG」を提案する必要もない。

こういう言い方でいいかどうか分からないが、「永遠の2番手」であり続けることはもはや戦略なのだ。

既存のプラットフォームの上で、つまり、ドラクエとFFが築き上げた「娯楽としてのRPG」と、それを消費するユーザーが育成され終わっている市場にやってきて、王者とは別の土俵で勝負している、と言ってもよい。

 

王道の構成要素を丹念に分析し、教科書通りに盛り込むと同時に、「伝統」の重みゆえに老舗にはできないこと(キャラデザイン、テーマソング、ストーリー、戦闘システムなど)を、緻密なバランスで丹念に作った結果、今回の傑作が生みだされたのだと思う。