RPGのお約束、というものがある。
たとえば剣と魔法でドラゴンと闘う、みたいな。
今回プレイしているテイルズオブアライズも、そうした基本線を押さえた王道の作りの中に、いかに独創性を込めるかという創意工夫がされているように思う。
ひとまずベースにある構造の確認。
<物語と戦闘を一つにまとめる「属性」>
RPGは戦闘を飽きさせないように、武器や防具、あるいは魔法の「属性」によって、敵味方の強みと弱みをうまくかみ合わせて攻略するようにできている。
雑魚はもちろん、ボスもそうした工夫で討伐する仕組みはいわば王道だ。
これは多かれ少なかれどんなゲームでもお決まりのパターンで、当然本作でも採用されている。
旅で訪れる五つの国がそれぞれの属性を持っていて、それぞれに1人ずつ、特別に強いボスがいる。
火→光(グラフィック的には氷)→地→風→水、そして最後に「闇」。
最初の3つでついでに仲間も回収される。
この分かりやすさは、テンプレそのものと言ってよい。
戦闘や武器・防具の個性のみならず、ストーリーの「栞」にもなっている。
それはRPGで遊ぶ人には説明不要で、本作ではこの題材をどう料理するかを見てもらう、と初めからスタンスが決まっている。
ひとまずRPGのど真ん中で勝負している清々しさこそ、作り手の本気の表れと理解したい。
奇しくもこの作品のセールスコピーは、「心の黎明を告げるRPG」だそうな。
おなじみのテンプレが、これからはこの水位を基準として評価されることになりますよ、という宣言なのかもしれない。
宇宙船まで出てくるような文明観が、剣と魔法の世界と調和しているというところが、一つの個性なのではないだろうか。
<魔王とモンスター>
悪の魔王をやっつけて世界を救う、ドラクエ的王道の動機がまずある。
対する魔王側の動機というのは、たいてい世界征服か世界を破滅させて無にすることにある。
今作には魔王は出てこない。
敵対しているのはあくまで「人間」だ。
ただし、普通の人間では剣と魔法で打倒すべき相手にはなりえず、それではゲームにならないので、前提として「圧倒的な文明力の差」がある。
一方は中世レベルの文明、もう一方は宇宙船が作れる&星霊術=超能力が使えるレベル。
だからダナ人を奴隷支配しているレナ(の王)は、魔王のバリエーションと考えてよい。
ただ、相手が人間であることによって、文字通り「人間的(社会・政治的)」な物語にすることができるかもしれない。
魔王が魔界から呼び寄せた、という理屈がない場合、モンスターは生命倫理を逸脱した実験によって人間が生み出していることになる。
それにはSF的な科学技術が前提となるから、このあたりで中世と未来をうまく融合させる世界観が必要になる。
今作ではそれが「星霊力」ということにされている。
前述の「属性」の件も含め、「王道」を通るための条件がうまく押さえられている。
<勇者と仲間たち>
ア)「悪を倒して世界を救う」系
イ)「さらわれたお姫様を救出する」系
ウ)「殺された仲間や家族の復讐をする」系
エ)「自分探し」系 or 「ついてくる」系
オ)「自分の存在にかかわる謎を解き明かす」系
これ以外の動機でRPGのパーティーになる仲間キャラはほぼいないのではないか。
少なくとも自分がこれまで遊んだゲームでは例外はなかった(はず)。
今作においても、そもそもの旅の動機はシンプルにア)から始まる。
また、シオンとアルフェンはともにオ)の動機を持っており、仮面が半分はがれた(「名前」の情報だけ解放され、アルフェンがオ)の動機に目覚めた)ところで、華々しいオープニングムービーが物語の開始を告げる。
それ以降、エ)ですべての仲間を回収しつつ、ウ)でリンウェルの決着がつくと、物語がイ)に移行する。
このあたりもうまくできている。
もう敵討ちが終わっているリンウェルにしきりに「シオンを助ける」というセリフを言わせるのは、戦いの動機付けが変わっていることを理解させるためだ。
ちなみに、海に放り出されてもう一度パーティーが再編成される、というのはDQ11でも見られた構成。
ここまで、私はアルフェンとシオンは一度も前線から外さずにプレイしてきたので、いったんプレイスタイル自体をリセットする必要があった。
多くのプレイヤーがそうなる(アルフェンはアタッカーとして、シオンは回復役として外せない)と思うのだが、どうだろう。
さて、物語は佳境に入っていて、「後半~終盤」へと差し掛かっているのだが、DQ・FFと違ってアクションが疲れるので、ストーリーを進めたくてもそこまで長時間ぶっ通しでプレイできない。
シオンの涙のシーンが不憫でならないのだが、このゲーム、ボスが強すぎるのよね…。。。