今年はFF7・9・10とドラクエ11、RPGを立て続けにやりまくったので、今更ながら、どんな構造になっているのか考えてみたい。
これはそのメモ。
まずはパーティーの構成から確認。
【パーティーの構成】
●FF7
全9名(男6 うち人間以外2/女3)
クラウド (剣で攻撃)
ティファ (格闘技)
バレット (銃?で攻撃)
エアリス (魔法で攻撃)
レッド13 (物理&魔法で攻撃)
※
ユフィ(忍者・手裏剣など)
ケット・シー(人間以外・奇天烈キャラ・特殊技)
シド(槍)
ヴィンセント(銃)
<所感>
正直、3人戦闘で仲間9人は多すぎる。
途中でAが死に、CとTが欠けるのでバランスは守られるが、最終的には余るメンバーが出る。
だからユフィとヴィンセントは仲間にしなくても進行上は差し支えないことになっている。
リメイクのときにもその問題があり、ラスボス戦ではレッド13とT/B/Aのうち1名余る。
近代化された世界が舞台の場合は銃で戦うキャラも欠くことができず、その個性を楽しめるように、ダメージを算出する変数に「遠・近」が絡むことになる。
オリジナル版のコマンドバトルでは戦闘上の個性を出し切れなかったユフィも、リメイクでアクション性が加味されると、遠近どちらでも戦える、というユニークさが際立っていていいと思う。
マテリアシステムにより、魔法を「装備」することができるため、全員魔法が使える。
そのため、誰を回復役にするか、属性攻撃を誰に付与するか、といったアレンジが自由にできる楽しさがある。
職業としての「魔法使い」が近代的世界観で成立しないという、ストーリー上の都合に端を発しているとは思うのだが、ゲームとしての面白さを左右する重要なポイントとして、ひとまず成功しているのではないか。
一方で、状況ごとに全員のマテリアを付け変えなければいけないという面倒くささもある。
ゲージ管理の必殺技がキャラごとに複数あるので、マテリアとリミット技、そしてシンプルに基礎力アップのレベル上げ、という育成の仕方になる。
●FF9
全8名(男4 うち人間以外1/女3 うち人間以外1/不明1)
ジタン (剣で攻撃)
ビビ (魔法使い・攻撃魔法)
ガーネット (魔法使い・回復&召喚)
スタイナー (剣で攻撃・素早さ犠牲で防御&攻撃力)
フライヤ (人間以外・槍&特殊技)
クイナ (人間以外・奇天烈キャラ・特殊技)
エーコ (魔法使い・回復&召喚)
サラマンダー (格闘技)
<所感>
FF9はファンタジー要素がてんこ盛りで、まともに人間の姿かたちの男女はスタイナーとガーネットのみ。
ジタンには尻尾、エーコには角がついている。
実はガーネットもエーコと同じ種族なのでもともと角があった。
だから純粋な人間はスタイナーのみ、ということになる。
サラマンダーも、一応人間という設定だが、どこからどう見ても人間の見た目じゃない。
男は全員アタッカー。
一応ビビも男の子だが、アタッカーの個性ではないので攻撃魔法を担う。
4人で戦うRPGの場合、状態異常や即死・大ダメージの全体攻撃があるボスを相手にする場合を除けば、基本的にアタッカー2名または3名と回復役1名で編成するのが基本だろう。
属性攻撃が有効な場合は、魔法攻撃のスタッフが一部アタッカーと入れ替え登板するぐらいではないか。
キャラ固有の武器に固有の経験値が付与されていて、レベルアップとともに特殊能力が解放されることになっている。
このシステムは7Rにも相続されている。
HP・MPなどの基礎能力以外に、キャラごとの特殊能力がどのようなシステムで育つのか、これもRPGの重要な構成要素だ。
●FF10
全7名(男4 うち人間以外1/女3)・3人戦闘
ティーダ (剣で攻撃・素早さ(手数))
ユウナ (召喚士・回復魔法)
ワッカ (飛び道具で攻撃)
ルール- (魔法使い・攻撃魔法)
キマリ (槍&特殊技・人間ではない)
アーロン (大剣・物理攻撃力)
リュック (盗賊)
全体的に10代~20代前半の未熟なパーティーを、アーロンおじさんが引率。
物理攻撃のアタッカーが3人。
加えて、魔法攻撃は1ターンで複数攻撃ができるし、相手の弱点属性を攻められる。
この4人から3人を選んで編成し、必要に応じて回復役が出てくる、というのが基本。
ただしこのゲームは「召喚」がストーリー上も重要なカギなので、ユウナ=召喚獣だけ、特別な攻撃スタイル(召喚獣のHPが0になるまで戦闘が召喚獣だけ)になる。
キマリとリュックは条件がフラットな戦闘では役に立たない。
経験値を稼がせるためだけに1回だけ攻撃参加させる必要があり、正直面倒。
3人戦闘の場合は、倍の6人より仲間が多いとどうしても余る。
戦闘に参加しないメンバーに経験値が入らないと、イベントで強制的に戦闘参加させられる「2軍」選手が足を引っ張ることがあり、なかなかに苦しい印象だ。
やはりRPGの仲間キャラの人数は、「1回の戦闘で使うメンバーの2倍まで」(2倍-1が理想だと個人的には思う)なのだろう。
●ドラクエ11
全8名(男4・女3・LGBT1)
勇者 (勇者・剣)
カミュ (盗賊・剣orブーメラン)
ベロニカ (攻撃魔法中心)
セーニャ (回復魔法中心・転職がない分、姉からアビリティを相続して両方使える「賢者」に)
シルビア (芸人・奇天烈(オネエ)キャラ・特殊技)
マルティナ(武闘家・格闘または槍・魔法が使えない)
ロウ (老人・魔法または格闘・物理でも魔法でも育成できるが、普通魔法で使うだろう)
グレイグ (大型武器による物理攻撃中心)
登場するのは8名だが、FF10と同様に常時7名で、最後の1名と入れ替わりで1名死ぬ。
ストーリーとゲーム性のバランスは、今回取り上げた4作品の中ではピカイチ。
おそらく表現よりも楽しませることを優先するのがドラクエとFFの違いなのだろう。
やはり主役はスタイリッシュな剣でアタックしまくるのが王道。
戦闘&キャラごとの特殊技は、FF10を相当参考にしていると思われる。
戦闘時にもキャラの入れ替えが可能である点や、スキルポイントを自由に割り振って育成していく点(スフィア盤とスキルパネル)は共通している。
FF10と違って、使っていないキャラにも経験値が入るシステムはとてもユーザーフレンドリーな感じがする。
エンカウントしないシステムは、個人的にはかなり好きだ。
レベルを上げたいとき以外ですり減るだけの雑魚戦を強いられるのは苦痛でしかない。
ターン制のコマンドバトルにおいては、1回あたりにどれだけ有利な行動がとれるか、ということが重要になる。
できるだけ多く総ダメージを与え、できるだけ多く総回復(または戦闘補助)したい。
だから、全体攻撃やグループ攻撃が可能な武器やアビリティがある。
そういう意味ではドラクエには伝統的に、「ムチ」と「ブーメラン」という全体攻撃武器があるが、威力が弱いので雑魚殲滅用。
11の3Dモードのように、エンカウントしないのであれば、この武器は使用機会はほとんどない。
ストーリー本編最終盤から各キャラのスキルがかなり解放され、それぞれのスキルで気持ちよくダメージが入るようになる。
あるいは別のアプローチとして、奇天烈キャラによる状態異常で相手の行動回数を減らす、という戦略もあり得る。
本当に戦闘を楽しめるのはここから。
だからクリア後にも追加で遊び続けられるのは本当によくできている。
シンプルだけど奥が深い戦闘システムとレベルアップシステムの高次元の融合。
これを無理なくストーリーとリンクさせ、なおかつ伝統の延長線上で展開しているところに、この作品のすごさがある。
さて、思いのほか長くなってしまった。
ひとまずパーティー構成と戦闘システムについての考察メモはこんなところ。