HRと言えば、ホームラン、でしょうか。
いえ、まだCDが売れていた時代、HR/HM(ハードロック/ヘヴィメタル)というジャンルがありました。
それこそ、HMVとか、タワーレコードとか、品ぞろえ豊富な大型CDショップに行くと、メジャーどころからマイナー輸入盤まで、人気ジャンルの一角として立派なコーナーがありました。
高校時代に私がひいきにしていたFair Warningというドイツのハードロックバンドも、HMVでインストアイベントをやるなど、活気があったんです。
さらに日本にはBURRNという洋楽HR/HMの専門誌もあった(今もある)し、ギターをやっている人なら、ヤングギターとか、プレイヤーとか、そういう雑誌にはいつもテクニカルなHR/HM系の速弾きギタリストが特集されていました。
今や音楽はダウンロードの時代、
また、長いギターソロをドヤ顔で延々と弾き続けているような曲は流行らないんだとか。
HR/HMのコーナーなんか、風前の灯火。
たまにBURRNを立ち読み(すみません)しても、80年代・90年代に活躍した古参バンドの新譜が一番の話題になるぐらいで、新たに人気に火のつくバンドはなかなか排出されない印象です。
BON JOVIやMETALLICAを知らないアメリカの若者が、初めて彼らのMVを見たリアクション動画をyoutubeにアップしていたりして、「このヘアスタイル(長髪)…ww」「うん、曲は悪くない、かな。」みたいなこと言ってました。
坂本龍一も、音楽に普遍性というものはなく、その時代時代で「いい音楽」というのも変わり続けていく、と語っていました。
専門家が言うと、説得力がありますなあ。
高校生の私が胸を熱くした音楽も、今の若者にとっては、たとえば私が演歌を聴いて「良さが分からん」と思うのと同様、「おじさん、こんなの聴いてたの?」って感じなんでしょうか。
※ただし、「若者」と言っても、5歳違うともう聞いている音楽も違う、という印象はありますが。それも、なんだかなあ。結局、音楽自体がマスメディアというより究極のニッチ産業になりつつあるのではないかとすら思ってしまうなあ。
ギターをいじっていた(超下手だけど)こともあり、高校1年のときに、中学までの90年代J-POPから、ちょっと背伸びして洋楽のHRへと足を踏み入れたのでした。
MTVでよく流れていた「I live my life for you」という曲が気に入って、最初にファイアハウスを聴きました。
同じタイミングでスキッドロウを聴き、
流れで、王者ボンジョビにたどり着きます。
で、「Livin' on a player」にお約束通りKOされて、以降メロディアスでコーラスの分厚いハードロック(速弾きも大好き)が好物に。
中学時代の友達(中学時代には友達いたんですよ)の影響でガンズ、
速弾き系ならミスタービッグやインペリテリ(イングウェイはなぜか手を出さなかった)、
あ、忘れちゃいけない、エアロスミス。
そして、BURRNのレビューで、フェアウォーニングの3rd「GO!」が驚異の90点越えをしていたので聞いてみたら…
後にも先にも、このアルバムがメロディアスハードロック史上、最高傑作だと思ってる。
聴いたことない人は是非。
これでフェアウォーニングが好きになり、ライブには3回行った。
当時の「渋谷公会堂」にガリガリの高校生がノコノコ出かけて行って、ダフ屋にからまれながら突入したっけ。
あまりにもテンション上がりすぎて、翌日熱を出したのを覚えている。
私は性格的に、音楽ライブで「イエーイ!!」とはしゃぐことはできない。
うん。20世紀の日本人の俺は、恥ずかしくてできない。
客にダイブするとか、モッシュ、っていうのか、客同士でおしくらまんじゅうするとか、なんて危険な場所だろうと思う。
だからフェスとか、スラッシュメタルのライブとか、行きたいと思わない。
子連れでフェスに行く?さぞかし、多動的な落ち着きのない子が育つんでしょうなあ。(偏見)
ドリームシアター・アイアンメイデン・メタリカ・メガデスあたりは、良さが分かるまで時間がかかった。
メタリカは、20代後半にカーステレオで聞くようになってから好きになった。
不思議だが、ドライブしてる時だと入ってくる音楽、っていうのもあるのよね。
これまた不思議だが、最近になってフェアウォーニングを聞き返してみると、いい曲なんだけど、幼稚な音楽、という気もしてくる。
白か黒か、善か悪か、という二元論的な単純さ、あとメロディアスハードはおおむねそうだが、ナルシスティックな自己正当化も感じなくはない。
今日のように社会が混沌とし、何が良くて何が悪いのか全然わからない、という不安にみんなが毎日頭を抱えているようなときには、「あれかこれか」で「突撃」という単純さでは、長続きしない。
むしろメタリカを聴くようになったのはそんな時代の変化も影響していると思う。
世の中めちゃくちゃ、自分もめちゃくちゃ、だけどヘヴィなリフでとにかく今日は突っ走る、みたいな。
マーティー・フリードマンは、HR/HMについて、「ガリガリで、弱そうなやつが、自分を鼓舞するために聴く音楽」と評していた。
少なくとも、私にそっくりそのまま当てはまる。
基本的に、ファンは男性だろう。
今は音楽を聴くときはもっぱら車の中なので、ドライブに適した音楽でないと聴いていられない。
しかし毎日通勤で車を運転するから、音楽はほぼ毎日聴いている。
やっぱり、「No music, no life」というのは真実だ。