若者は、テレビを見なくなったらしい。

youtubeは見るんだとか。

 

映画も、2時間のコストが面倒で、倍速視聴するんだそうな。

 

オッサンの私も、だいぶ前からテレビを見なくなった。

以前は1日中見るときもあったが、今では天気予報とプロ野球中継以外ではほとんど見ない。

1週間で3時間見ていないのではないか。

 

映画は、さすがに倍速では見ないが、音楽は、昔から聴いているものからほとんど更新されていない。

新しい曲を覚えようという気力がなくなってきた。

これは、単純に自分がオッサンになったからだろう。

 

コンテンツが無数にあり、自分の好みのものを選べるようになった。

また、youtubeのように、自分と趣向の合う人と共感しながら無料でコンテンツを楽しむ仕組みも以前とは比較にならないほど発達した。

そういう、ある種のメディア革命によって、圧倒的だったマスメディアとしてのテレビの地位が下落したのは間違いない。

それ自体は問題ないのだが、テレビを見なくなった理由は、もっと大きなところにある。

 

単純な話で、テレビがつまらないのである。

いつごろからか、テレビが本当につまらなくなった。

 

〇話していることを全部テロップで表示するようになった。

 

〇ドラマのキャスティングが描きたいものよりも視聴率と芸能事務所との駆け引きだけで決まるようになった

※知的なイメージのないジャニーズのタレント(というかスマップ)に医者や検察官の役は噴飯ものだった

 

〇アニメの主題歌が本編と直接関係がない内容になった/変なアニソンが増えた

※ただし、アニメーションの表現力の進歩はすさまじいものがある。アニメのホラー描写なんか、本当にリアルでグロくて怖くなったよね。

 

〇スポーツ中継にも実況アナと解説以外に、アイドル(これもジャニーズ、もっと言うと中居君)が登場するようになった

 

〇ニュース番組すらタレントや芸人、元官僚など、何がしたいのかわからないメンツで構成されるようになった

 

〇つまらない芸人のネタを面白おかしく演出する番組が増えた

※今ではほとんど見なくなった一発屋のオンパレード。

 

伝えたいこと、作りたいもの、という熱意が全く感じられず、既存のものの劣化版の焼き直ししか出てこない。

テレビを見て育った私としては寂しさもあるのだが、もうテレビが元の輝きを取り戻すことはないような気がしている。

かといって、youtubeがそこまでいいかというと…情報の真偽や内容の偏りについては、むしろテレビ以上に無責任なところもあるし、玉石混交で、これで新聞も読まずニュースも見なくなった人が、政治家を選ぶことなどできるのかと心配になる。

民主主義と健全なメディアとはセットのはずで、それがない日本では、もはや(元から?)民主主義など成立しないのではないか。

 

国家が自明視してきた前提の崩壊、あるいは、「想像の共同体」としての共有可能性の崩壊。

みんながテレビを見なくなった、それは業界の人間だけの問題ではない。

共有できるものがなくなり、人々が分断化・孤立化・局所化・偏在化していく社会にあって、「視聴率」に価値を置く限り内容はボリュームゾーンに合わせるしかないのだが、そのボリュームゾーン自体の劣化も著しく、結果的にその層すらテレビを見なくなった、ということだろう。

テレビ局で言えば「視聴率」ということになっるだろうが、とにかく、経済的な価値だけを軸にして物事を判断する、ということを何十年も続けていると、結局のところ社会は劣化し、国家は崩壊する、ということなのだろう。