あとはラスボスを倒すのみとなりました。

 

最初は、「FFのナンバリング作品でなければこんなに評価されなかったはず」と書いてしまいましたが、やっぱりこれもまたFFでした。

 

1980年代後半に記念すべき1作目が作られて以来進化と革新を続け、この10が製作されたのは1999~2002年ということですから、開発期間も含めれば20年近い歳月をかけて歴史が作られてきたことになります。その進化のすごさを目撃した者としては、「たったの20年で」という気がしますが。

 

その間、ファミコン・スーパーファミコン・PS・PS2と、ハードは進化を続け、FFはその性能を限界まで引き出す超人気ソフトとして、ハードそのものの売れ行きも左右する台風の目、すべてを巻き込みながら突き進んでいく、まさにゲームの歴史そのものでした。
2021年の今過去作をプレイすることの中には、プレイヤー自身の個人史と重ね合わせながら、FFの、ゲームの、そして20世紀の最後の20年間における消費社会の歴史を、改めて体験し直す、という意味があると思います。

 

3DCGとフルボイスで作られた作品はシリーズ中10が初めてです。

今では陳腐化したポリゴンCGですが、これがなければ次の進化もあり得なかった。

この10までのFFシリーズは(2と8はちょっと危険な大実験をしすぎましたが)、すべての作品がのちの作品が生み出されるために必要だったと言える、傑作ばかりです。その重要性を考えると、どれが一番とは決められない。

 

しかしそれでもあえて言うならば、ファミコン時代の3作品→スーファミ時代の3作品→プレステ時代の3作品の正統進化で完成させた歴史の頂点、これこそが「最後のファンタジー」である、と言えるのは、FF9だと思います。

 

FF10、間もなくエンディングまで確認しますが、これもすごい作品には違いありません。

シナリオやゲームバランスなどは9と全く引けを取りません。

9の後で、「それまでやらなかったこと」で作った大作がこの作品です。

いわば、FF9とFF10は歴史の陰と陽、光と影、互いにかみ合って一つの円になる勾玉のような存在だと思います。

 

前の記事で「アクが強い」と書きましたよね。

これ、すべてにおいてそうです。

10はとにかく超個性派なので、歴史の中央にいるのかと言われると、そうではないと思います。

 

アジアと南国を組み合わせたような世界観&風景のデザイン&色使い。

ファンタジーのなかに織り込まれる宗教色。

生と死という深遠なテーマはどの作品にも共通していますが、ここまでの宗教性は以前まではある種の「タブー」でもあったのではないでしょうか。

 

パーティー7人が最後まで一緒に旅をするという展開。

レベルアップ概念に自由度を与え、カスタマイズ性・コレクション性のゲーム要素を実現したスフィア盤。

(※個人的には面倒なだけでしたが、全体のバランスから見るととてもよくできていると思います。)

ワールドマップから1本道に、と思いきや、最後の最後でやりこみ要素が本編と同じぐらいのボリュームで追加されるって…。

この変態的こだわりようには思わず笑ってしまいますね。

これがFFの手癖のようなもので、往年のファンはニンマリでしょう。

 

独特で、個性的。

FF10が、ここまで遠慮なしに思う存分アクを出しまくることができたのは、歴史と伝統の完成形である9があればこそ、のはず。

もし9と10の順番が逆だったら、これまた評価が変わっていたのではないでしょうか。

いわば伝統の「お約束」からは解放されて、徹底的に好き放題やった作品、それがFF10。

 

そして、ちょっと悲しい気もしますが、「ファイナルファンタジー」がそのタイトル通りのピュアな作品でありえたのは、この10が最後だと思います。9と10でやるべきことは全部やってしまいましたから。

 

これ以降は、技術革新や競争の激化、消費者の多様化等々で環境が変わり、もはや市場を独占しているとは言えない状況の中、歴史という財産が生み出す果実(派生作品・リメイクなど)で優位に立とう、ということに必然的になっていきます。

だから、2020年に7をリメイクしたのも、当然の流れじゃないかと。

オリジナル版は、ストーリーやキャラクターの人気とは裏腹に、一番グラフィックが残念でしたし。

 

総合的な遊びやすさ、洗練されたユーザーインターフェース、グラフィックやCG技術(声と口の動きが連動するなど)、そういう面で言えば、最新作である7Rが最高傑作です。

 

なにはともあれ、FFのおかげで、2021年は私にとっても思い出深い年になっています。

7R→7オリジナル→(8ちょっとやってやめたけど)→9→10と続いた歴史を巡る旅、間もなく終わります。

旅って、家にいてもできるんですよ。

※10-2は、やらないかな。「FFでやるべきことは10までで全部やり終わっている」からあのような作品も出てくるわけです。