みをつくし料理帖シリーズ | Bitter Sweet Days Again!

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人生楽しく、備忘録

高田郁 作 みをつくし料理帖シリーズ
やっと読破しました。

最終巻「天の梯」です。

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大阪の水害で両親を亡くした澪(みお)は、料理屋「天満一兆庵」の女将芳に助けられ
料理人の道を目指すことになる。
しかし、天満一兆庵が不運に見舞われ、澪と芳は江戸へ。
さまざまな理由で頼る術を無くした二人に手を差し伸べたのは「つる家」の主人種市。
つる家で働き始め、天性の料理人の才能を開花させる澪。
澪には幼馴染で同じく水害により苦界に身を落とした親友野江がいる。
野江は吉原の花魁あさひ太夫、となっていた。澪は密かに野江を救い出す夢を
持ち始める。
あらゆる困難に立ち向かいながら、周りの人の助け、淡い恋を経て成長し
念願を果たす澪の物語。

1.八朔の雪
2.花散らしの雨
3.想い雲
4.今朝の春
5.小夜しぐれ
6.心星ひとつ
7.夏天の虹
8.残月
9.美雪晴れ
10.天の梯

全10冊を読了し、私の心は晴れ晴れです。そして読み終わった後に温かいものが
流れるこの気持ち。
普段、小説は読まない私がこの本と出会ったきっかけは
会社のBOSSの本棚に最初の2冊があったこと。
と、同時に2時間ドラマとして放送されたものを視聴したこと。

私の好きな「御宿かわせみ」にも共通する
好きな江戸時代の庶民の生活が生き生きと描かれて
また澪のつくるお料理の描写が想像をかきたて、読んでいて楽しい。
澪の周りの人たちが、善良な人ばかり。(悪役もいましたけどね)
最後の巻はひとつひとつが見事に収束して
みんなが幸せになっていく様子に、嬉し涙を流しながら読んでしまいました。
小説を読んで、こういう嬉し涙を流すなんてめったにありません。
改めて、この高田郁先生の筆致に感動しました。

ところで、テレビ朝日で放送されたこの小説のドラマ化ですが
最初はキャスティングを受け入れたのが
読み進めるうちに、違うなあ、と思い始めてきました。
主人公澪は、北川景子。
読んだ方はわかると思うのですが、澪は下がり眉が特徴の美女というより
愛嬌のある娘さんのイメージ。
北川景子では美女すぎます。
幼馴染の野江は美女とはっきり書いてある、ドラマでは貫地谷しほりが演じましたが
むしろこの二人、交換したほうがしっくりきます。
まあ、恐らく北川景子を主役にという条件で作られたことは想像できますけどね。

改めて澪役者を適任キャストにして、NHKの時代劇枠などで
作り直してほしいなあ・・・・

久しぶりに読後感の良いステキな時代小説に巡り合えました。