岸 惠子『愛のかたち』文藝春秋 2017
「愛のかたち」
「南の国から来た男」の二編からなる小説。
このヒロインは岸惠子さんを彷彿とさせて。
◆本の紹介
親子の葛藤、女の友情、そして運命の出逢い。
5人の男女のさまざまな愛のかたちを、
パリと京都を舞台に描き出す大河恋愛ロマンです。
表題作「愛のかたち」に加え、「南の島から来た男」を収録。
いずれも、悲痛な運命に抗って力強く生きる登場人物の姿が、静かな感動を呼びます。
プラヴェートセスナでの飛行、
イスラエルやイランなどの紛争地取材、
フランスの上流社会の社交のやりとり……。
岸惠子さんの豊かな人生経験なくして生まれえなかった豊穣な愛の物語集。
読むと人生が輝き出す岸さんの人生讃歌です。
☆「愛のかたち」
「愛しているんだ、ただ今はこの愛に埋没したくない」
化粧品会社のパリ駐在員、渚詩子は、
フランスの監獄から少年を脱獄させたいという奇妙な弁護士、ダニエルと知り合う。
この出逢いをきっかけに、恋愛に疎かった詩子は愛の不思議に身をゆだねる。
☆「南の島から来た男」
「わたしは楽園向きの女ではないと思う」新聞社のパリ支社で働く藤堂華子は、
モーリシャス島出身で一文なしの青年ドムと、
パリの屋根裏部屋で暮らすようになる。
しかし、ドムにはある秘密があった。
華子は愛とジャーナリストの矜持の間で揺れる。
