青山淳平『蝶墜ちて 評伝 富澤赤黄男』飯塚書房 2026
俳人・富澤赤黄男(とみざわ かきお)1902~1962
蝶墜ちて大音響の結氷期
富澤の代表句といってこの句。惹かれます。
その富澤の評伝が刊行されました。
富澤は早稲田大学卒の学士でありながら、
職をもとめ、貧困の生活をおくり、
中国での過酷な戦場を生き抜く。
鶴は鳴く雲の炎(ほむら)に身を絞り
銃眼によれば白鷺とほくとべる
翡翠よ白き墓標のあるところ
もくせいの夜はうくしきもの眠る
爛々と虎の眼に降る落葉
唖蝉(おしぜみ)や されば無音の地の渇き
寒雷や一匹の魚(うお)天を搏(う)ち
◆本の紹介
新興俳句の牽引者、富澤赤黄男。
その孤高に生きた生涯を詳細に紹介。
人間富澤赤黄男の家族関係、
中国大陸での凄惨な戦場、
俳人たちとの関わり等々をリアルにドラマチックに描いた、
読み物としても楽しめる評伝が出来上がりました。
写真:伊賀上賢治
装丁:片岡忠彦
