皆川博子『双頭のバビロン』創元社 2012
ユリアン、ゲオルグこの接合されていた双子が分離され、
プラハ・ベルリン・ハリウッド・上海を舞台に
策謀、暴力の渦巻く、濃密な物語。
542ぺ-ジ、2段組みの大著、
その時間空間の巧みなこと、
一気に読んでしまう!?
◆本の紹介
爛熟と頽廃の世紀末ウィーン。
オーストリア貴族の血を引く双子は、
ある秘密のため、引き離されて育てられた。
ゲオルクは名家の跡取りとして陸軍学校へ行くが、
決闘騒ぎを起こし放逐されたあげく、新大陸へ渡る。
一方、存在を抹消されたその半身ユリアンは、
ボヘミアの〈芸術家の家〉で
謎の少年ツヴェンゲルと共に高度な教育を受けて育つ。
アメリカで映画制作に足を踏み入れ、
成功に向け邁進するゲオルクの前にちらつく半身の影。
廃城で静かに暮らすユリアンに保護者から課される謎の“実験”。
交錯しては離れていく二人の運命は、それぞれの戦場へと導かれてゆく。
動乱の1920年代、野心と欲望が狂奔するハリウッドと、
鴉片と悪徳が蔓延する上海。
二大魔都を舞台に繰り広げられる、壮麗な運命譚。
