あの伝説の映画「炎上」! 原作:三島由紀夫 監督:市川崑 主演:市川雷蔵 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

あの伝説の映画「炎上」1958年

 

原作:三島由紀夫

 

監督:市川崑

 

主演:市川雷蔵

 

 

炎上』(えんじょう)は、1958年公開。

 

三島由紀夫『金閣寺』を市川崑監督が映画化した99分のモノクロ作品。

 

主演は時代劇のスター・市川雷蔵で初の現代劇主演。

 

この吃音症の青年・溝口をじつにリアルに演じる、

 

不安、不遇、劣等感などを余すところなく表現し、

 

あの<目>がことに印象的。

 

仲代達也の不埒で傲岸な柏木とのからみ、

 

中村雁次郎の好色で底知れない人物。

 

 

なによりもモノクロームの光と影の映像がこよなくうつくしい。

 

これは映画館のスクリーンで観たい!

 

映画では『金閣寺」が「驟閣寺」(しゅうかくじ)となって。

 

 

 

三島はこの映画について「日記 裸体と衣装」でこのように

 

<黒白の画面の美しさはすばらしく、全体に重厚沈痛の趣きがあり、

しかもふしぎなシュール・レアリステックな美しさを持つてゐる。

放火前に主人公が、すでに人手に渡つた故郷の寺を見に来て、

みしらぬ住職が梵妻に送られて出てくる山門が、

居ながらにして回想の場面に移り、

同じ山門から、突然粛々と葬列があらはれるところは、怖しい白昼夢を見るやうである。

俳優も、雷蔵の主人公といひ、雁治郎の住職といひ、これ以上は望めないほどだ。

試写会のあとの座談会で、市川崑監督と雷蔵君を前に、私は手ばなしで褒めた。

かういふ映画は是非外国へ持つて行くべきである。

センチメンタリズムの少しもないところが、外国人にうけるだらう。>