桐野夏生『光源』文藝春秋 2000
このところ桐野夏生作品を読み返しています。
この『光源』全編に強度な筆力が漲って、
420ページに及ぶ長編を一気に読んでしまう!?
「いい映画を創る」その言葉に
全てを賭けるプロデューサー、
かつての恋人だった名カメラマン、
自分を天才と信じる監督、
人気絶頂の二枚目俳優、
かつてのアイドルたちが
映画作りの現場に集まった。
光源・スポットライトを浴びたいと
熱望する人たちしたたかな姿。
それぞれの思惑は錯綜し、衝突する、
どこまでも抉るような圧倒的な力を
佐々木敦氏は
<凶暴な「虚構」の力によって
「現実」を突き通している>という。
直木賞受賞後の長編第一作。