「昭和歌舞伎 女方小説」網野菊・三島由紀夫・円地文子
中村哲郎編 中公文庫 2025
凄艶にして華麗な女方♪
<歌舞伎において女性の役あるいはそれを勤める役者を指す「女方」。
世界中の演劇でも稀なこの女方を題材にとった小説を
「女方小説」と名づけて蒐めた初めての試み。>
中村哲郎編
<男の中にある女。女の中にある男。
一瞬、魔的な影がよぎる―> と中村哲郎氏。
網野菊「おもかげ」「楽屋」、
三島由紀夫「女方」、
円地文子「双面」「女形一代――七世瀬川菊之丞伝――」
<魔的な影がよぎる>
昭和の歌舞伎に、
網野・三島・円地の描いた女方のモデル・
六代中村屋歌右衛門(1917-2002)に
かろうじて間に合いました!?
三島と円地、ひさしぶりに読み返し、
ここにはなんと綺麗で豊潤な日本語があることか、と
あらためて感じいりました。
カバー写真:写楽「三代目瀬川菊之丞の田辺文蔵妻おしづ」
カバーデザイン:間村俊一