<歌舞伎、斬れば真っ赤な血>(犬丸治)! 映画「国宝」 @ユナイテッド・シネマ前橋 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

映画「国宝」を観た!

 

 

斬れば真っ赤な血が出る歌舞伎が、

 

少なくとも銀幕の上には存在する」と、演劇評論家 犬丸治氏。

 

 

 

歌舞伎、

 

どろどろの情念の沼に咲く大輪の花、

 

あるいは漆黒の真闇にかがやく<悪>・・・

 

 

そんな歌舞伎を思っていたことがあります。

 

この「国宝」はまさに、それ。

 

 

吉沢亮・横浜流星、なんと美しいこと!

 

「二人藤娘」「二人道成寺」「曽根崎心中」

 

歌舞伎の舞踊を、芝居を、<その役>で演ずる。

 

よくぞ、ここまで・・・

 

役者という「業」が生生と迫る。

 

 

歌舞伎指導:中村鴈治郎、

 

時代考証:児玉竜一。

 

 

大画面を圧する渡辺謙。

 

 

そしてなによりも、田中泯の老女形小野川万菊。

 

<甲斐庄楠音(かいのしょう ただおと)か岸田劉生の

 

画から抜け出たようなグロテスクで皺くちゃの老人が、

 

「鷺娘」では途端に「美しい化け物」になる。>と犬丸氏。

 

吉沢を呼び寄せる、その<手>、

 

稽古をつける凛としたたずまい、

 

老いやつれ、病身を横たえるなにもないぼろぼろの部屋、

 

「美しいものが、ここにはなにもない。

 

それがやすまるんだよ」この言葉。

 

どれほどの渾身をもって<美>を追求してきたことか・・・

 

 

映画を観た、いえ、圧倒的な映像・映画になぎ倒された。

 

 

 

原作:「国宝」吉田修一著(朝日文庫/朝日新聞出版刊)
脚本:奥寺佐渡子
監督:李相日
出演:吉沢亮、横浜流星、高畑充希、寺島しのぶ、森七菜、三浦貴大、

   見上愛、黒川想矢、越山敬達、永瀬正敏、嶋田久作、宮澤エマ、

   中村鴈治郎、田中泯、渡辺謙
製作幹事:MYRIAGON STUDIO
制作プロダクション:クレデウス

日本公開:2025年6月6日(金)全国東宝系にて公開!
配給:東宝
公式サイト