川上弘美『恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ』
講談社 2023年刊
川上弘美のことばはとても魅力的。
ふわふわっとして柔軟。
あわあわとしているけれど、
ときには硬質なものに変化したり、
つかみきれない清冽さがあって・・・
「恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ」
このタイトルひとつでも「ええッ」!?
で、このプールは「腎臓のかたち」と形容される♪
17の章からなる小説はこのように紹介されて
<小説家のわたし、離婚と手術を経たアン、そして作詞家のカズ。
カリフォルニアのアパートメンツで子ども時代を過ごした友人たちは、
半世紀ほどの後、東京で再会した。
積み重なった時間、経験、恋の思い出。
それぞれの人生が、あらたに交わり、移ろっていく。>
そのたましいと魂が近寄ったときに
栃木にいろいろ雨のたましいもいたり
安倍完市の句がひかれるのも心憎い。