高崎兜太句会2016年11月。
兜太先生、グレーの明るい感じのチェックのジャケット。
「それ素敵ですね」と言うと、
「そうか、そういうのは全然わかんないんだ」とのこと。
今回の兼題「星月夜(ほしづきよ・ほしづくよ)」二句と
自由句を一句。
並選三句と、問題句一句を選ぶ。
四点で最高点で、三点句が多数。
負けん気が背中ににじむ星月夜
合評は好意的な評。
兜太評:まあ、「背中ににじむ」はふつうの感受だ。
「星月夜」、飛躍が必要。
夕顔の実と寝ころんでいるプライド
兜太評:器用な句。
漠然としている。感覚をしぼる。
どういう「プライド」か。「夕顔の実」は他のもの。
あなうたてあやしうらめしかまつかや
問題作ばかりの四点句。
披講のひと「読めません」と披講はなし(!?)。
表記が平仮名ばかりで、どこで切れるか「はて?」
兜太評:「かまつか(葉鶏頭)」からの体感か。
「あなうたて」「あやし」「うらめし」と感じたのか、
よくわからない句。
兜太先生、エネルギッシュに全句講評へ。
「これは説明だな」「この句は手の内がみえている」
「報告にとどまる」「フツーの句」「韻文になっていない」
ほぼすべての「星月夜」に、
季語がかわる、飛躍させる、
付き過ぎ、働かない、とメッタ斬り。
句の評価として、秀逸、入選、佳作なのだが、
今回はすべての句が全滅。
高崎兜太句会でも初めてのこと。
兜太先生「この『星月夜』を兼題にしたのがいけない。
<罪はわれにあり>だなぁ。
新鮮な季語を出さなければいけない。
季語を創らなければいけない」とも。
次の兼題を決めて終了。