紫式部はフェミニスト? 奥山景布子『フェミニスト紫式部の生活と意見』集英社 2023年刊 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

奥山景布子(おくやまきょうこ)2023年 集英社刊

 

『フェミニスト紫式部の生活と意見』

 

 

大河ドラマ「光る君へ」、大詰めになってきました。

 

今夜は道長の「望月」の和歌になる、とか。

 

 

 

紫式部「源氏物語」

 

1000年読み続けられたこの小説を

 

平安文学を研究された学者、

 

現在は小説家の奥山景布子さんが

 

現代用語をキーワードとして読み解く。

 

 

あとがきでこう書かれて。

 

「今なら、論文には書けなかったことを、


研究者として古典と向き合っていた感覚や方法も活かしつつ、


でも、あくまで小説家としての物の見かたと言葉の選び方で、


形にできるのではないか。」

 

 

視点のあざやかさ、

 

その言葉・文の読みやすいこと♪

 

いままでなんとなく感じていたこと、

 

わかりにくいな・・・と思っていたことが

 

くっきり立ち上がって。

 

まさに目から鱗でした♪

 

 

 

<目次>


はじめに 「サブカル」、そして「ジェンダー」「フェミニズム」
――紫式部の追究した「人間の真実」


第一講 「ホモソーシャル」な雨夜の品定め――平安の「ミソジニー」空間


第二講 「ウィメンズ・スタディズ(女性学)」を古典で

――「女の主観」で探る夕顔の本心


第三講 ほかの生き方が許されない「玉の輿」の不幸
――「シンデレラ・コンプレックス」からの解放


第四講 「サーガ」としての「源氏物語」
――光源氏に課せられた「宿命」と「ルール」


第五講 「境界上」にいる、破格な姫君・朧月夜
――「マージナル・レディ」の生き方


第六講 宮家の姫の「おひとりさま」問題
――桃園邸は平安の「シスターフッド」?


第七講 「教ふ」男の「マンスプレイニング」――紫の上の孤独な「終活」


第八講 「都合の良い女」の自尊心――花散里と「ルッキズム」


第九講 平安の「ステップファミリー」――苦悩する母たちと娘の「婚活」


第十講 宇治十帖の世界と「男たちの絆」――「欲望の三角形」が発動する時


第十一講 薫の「ピグマリオン・コンプレックス」――女を「人形」扱いする男


第十二講 「自傷」から「再生」へ――浮舟と「ナラティブ・セラピー」


おわりに 古典を現代に