うつつ、うつつならざる幽世が、ここに! 藤沢周『鎌倉幽世八景』鳥影社 2024年刊 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

藤沢周『鎌倉幽世八景』鳥影社 2024年10月刊

 

 

鎌倉は屍(かばね)の蔵、だという。

 

うつつとうつつならざる幽世(かくりよ)が

 

重層し、おりなす<景>が八つ。

 

地名そのものがまがまがしく、あやしい。

 

生と死のあわいが、ほら、そこに!

 

 

 

 

十王岩

 

袖塚

 

唐糸(からいと)

 

飢渇畠(けかちばたけ)

 

太刀洗(たちあらい)

 

切腹やぐら

 

化粧坂(けわいざか)

 

 

 

不機嫌な化粧(けわ)う少年花の塵        掌

 

 

 

 

帯<観光地カマクラの白日の下に、屍の蔵たる鎌倉の、

 

幽玄なる景色がここに現われる。

(富岡幸一郎)>