鹿島茂「パリの本屋さん」中央公論新社 2024年刊
もうわくわく、どきどきが止まらない!
博覧強記、フランス19世紀パリ史専門の著者が
紐解くパリ、なかでも研究のための資料(おおむね稀覯本)を
探求し、収集する古書店ことを核とした
四半世紀にわたるエッセイ60本がずらり。
パリが現在のように作り替えられた19世紀の前後のこと、
オペラ座、その壮麗な大階段や建物、
デパート、美術館、やカフェが
どのような意図でつくられたかを知るだけでも面白い。
そこから<論>がさらに興味をそそる。
ノートルダム大聖堂は<フランス人のみならず人類最古の共同幻想>と。
あの高村光太郎も「雨にうたるるカテドラル」と賛美の詩を書いている。
なによりも生き生きとした筆致で語られる、
建築から文学、芸術、ファッション、女性の生き方など、
なにか、知らない<パリ>の奥深くを旅しているよう。
もう一度パリに行ってみたい・・・