篠田桃紅『桃紅一〇五歳 好きなものと生きる』2017年 世界文化社刊
みずからの生き方をつらぬかれた篠田桃紅。
そのエッセイと写真集。
その作品のように、
家、富士の見える山荘、
お好きな芸術家の作品、文房四宝、自作の着物、漆椀に菓子皿、
どれをとっても
桃紅さんの美意識に貫かれた
凛としたたたづまい。
一葉の写真がその経てきた時代、
想いを凝縮して、
そこに存在する。
【目次】
昔と今を繋げている
客人よ、琴を抱いて来たれ
有名もへちまもない
あなたのつくるものはいいですか
なにしろ百年以上生きていますから
なにぶん旅のことで
じゃんじゃん使っている
一夕の夢物語
江戸の手仕事
一生もの
七夕伝説のなごり
父への手紙
禅林句集
杏の木の下で
まだ宵の口でしょ
竹香の印
文房四宝を想う
雲の色がきれいだね
紙を継ぎつつ
無用の時間を持つ
一切は変わる
一〇七歳の絶筆まで、ゆるがない。こちらに
篠田桃紅 自身の美学をつらぬいた生き方 | web太陽 ― webtaiyo ―
【著者について】
美術家。1913年生まれ。2021年永眠。107歳
墨を用いた抽象表現主義者として、世界的に広く知られる。
著書に『桃紅百年』(世界文化社)『一〇三歳になってわかったこと』
『人生は一本の線』(幻冬舎)などがある。