『黒 色の物語』翔泳社 2024年刊
面白い本に出合いました。
「色の物語」シリーズでは、
「その色はどこから来て、どこへ向かうのか。」
古今東西文明のなかで、さまざまな意図で使われてきた
「色」の歴史とストーリー、影響力を、美術作品でたどっています。
私の好きな<黒 noir>、さっそく手に取って♪
本の紹介はこちら
<黒 noir 時代を超越し、私たちを引き付ける色
夜の闇を連想させ、神秘性と不穏さを合わせもつ色。
黒は光の波長を吸収するため、
物理学の観点からは「色の欠如」とされます。
有史以来人類とともにあった黒は、複雑で矛盾した存在です。
宗教改革による禁欲主義がこの色を権威やファッションの象徴にし、
さらに作家たちは神聖さと官能性、暴力性と安らぎ、無限と虚無、
人間のもつあらゆる欲望や感情を黒を使って描いていきました。>
ラスコーの壁画から
レンブラント、ホイッスラーらが描いた黒衣の女性、
ピカソのゲルニカ、ポロックやマン・レイ、
キース・ヘリングらの現代アート、
中国の山水画や古代メキシコの仮面など、
さまざまな黒を用いた作品が収録されています。
【著者 プロフィール】
ヘイリー・エドワーズ=デュジャルダン
美術史・モード史研究家。
エコール・デュ・ルーヴル、ロンドン・カレッジ・オブ・ファッション卒業。
キュレーター、フリーランスのライターとして、
ヴィクトリア・アンド・アルヴァート美術館の調査事業や展覧会に協力するほか、
個人コレクター向けのコンサルタントとしても活躍する。
ギ・ラロッシュのメゾンのアーカイブ部門の設立を手がけた。
パリでモード史、ファッション理論の教鞭をとる。
【翻訳者 プロフィール】
丸山有美 Ami MARUYAMA
フランス語翻訳者・編集者。
フランスで日本語講師を経験後、日本で芸術家秘書、
シナリオライターや日仏2か国語podcastの制作・出演などを経て、
2008年から2016年までフランス語学習とフランス語圏文化に
関する唯一の月刊誌「ふらんす」(白水社)の編集長。
2016年よりフリーランス。
ローカライズやブランディングまで含めた各種フランス語文書の翻訳、
インタビュー、イベント企画、イラスト制作などを行なう。