凄絶な仁左衛門丈!「絵本合法衢(えほんがっぽうがつじ)」2012年 @国立劇場 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

仁左衛門さま、

 

「桜姫東文章」で拝見して、

 

2012年4月11日に

 

「絵本合法衢(えほんがっぽうがつじ)」をアップしていました。

 

とても懐かしいのでここに再掲いたします。

 

 

 

 

◆「絵本合法衢」 四幕十二場
      
    作 四世鶴屋南北 


国立劇場の桜は満開から飛花落花へ。

舞台に大輪の<悪の華>が咲きほこる。


昨年の地震で公演中止になった芝居。

チケットを取っていたのだが・・・

再演の声が多数あって、今年の上演が決まったとか。


仁左衛門の<悪>、

それも南北のものがいい。

かつて玉三郎の「お岩」との色悪伊右衛門、

あるいは「盟三五大切(かみかけて さんご たいせつ)」の源五兵衛。

劇場の空気が「恐さ、怖さ」で染め上げられるのは

仁左衛門ならでは。


今回は二役、時代物と世話物、

序幕から地を這うような凄みのあるというより、

声音そのものが凄惨といえる低い声、

主人公大学之介の下郎を

有無を言わさずを切り殺す場から始まる。


芝居が進むにつれ、

自分の意にそまぬ、邪魔立てする輩は

武士であろうが、女、子どもであろうが、

なんのためらいもなく殺す。


かたや市井にうごめく立場の太平次、

うんざりお松の時蔵がじつに艶かしい。

蛇使いという設定が秀逸。


二人のいかにも情を通じた男女の

掛け合いがなんとも色っぽい。


こちらも殺す、殺す。

どれだけの登場人物が殺されてゆくことか。


複雑なストーリーを、場面を監修し

今回の芝居にしたとのこと。

それでも12時半から5時まで。


今月23日まで。


四月公演特設サイト
http://www.ntj.jac.go.jp/45th/kabuki_04/index.html
       
   


   序  幕   第一場    多賀家水門口の場
         第二場    多賀領鷹野の場
         第三場    多賀家陣屋の場
   
   二幕目   第一場    四条河原の場
         第二場    今出川道具屋の場
         第三場    妙覚寺裏手の場
   
   三幕目   第一場    和州倉狩峠の場
         第二場    倉狩峠一つ家の場
         第三場    倉狩峠古宮の場
         第四場    元の一つ家の場
   
   大  詰   第一場    合法庵室の場
         第二場    閻魔堂の場



出演


 片 岡  仁左衛門
 中 村  時    蔵
片 岡  孝 太 郎
 片 岡  愛 之 助
 市 川  男 女 蔵
 中 村  梅   枝
 片 岡  市   蔵
 市 川  高 麗 蔵
 坂 東  秀   調