特別展示「長谷川潔 銅版画の世界
自然をみつめるまなざし」
長谷川潔(1891-1980)の銅版画展
群馬県立近代美術館で観てきました。
その初期の木版画、デッサン、制作の試し刷りなど
いままで観たことのない長谷川潔作品が年代順に展示され、
この館の所蔵する作品をふくむ115点が
ずらりと並んでいます。
長谷川は第二次世界大戦のおりもフランスに留まり、
27歳で渡仏し89歳で旅立つまで
フランスで活動、そして活躍しています。
展示は時代をおって5章に構成。
1章 版画家としての出発
2章 渡仏後の研鑽
3章 対戦下の苦難と神秘への志向
4章 フランスが壇への登場
5章 長谷川潔芸術の到達点
マニエール・ノワール
「花 アネモネと野花」、
「小鳥と胡蝶」(チラシの画像)、
「アカリョムの前の草花」などなど
漆黒(ノワール)の
その豊穣、
その静謐、
魅入られてしまって・・・
2024年4月7日まで
画像はこちらから
◆群馬県立近代美術館のチラシ
長谷川潔(1891-1980)は、
20世紀の版画史にその名を刻む銅版画家です。
青年時代を大正期に過ごし、日本の創作版画の草創を担った長谷川は、
1918年に銅版画技法習得のためフランスへと渡り、
以後帰国することなく、さまざまな銅版画の技法で制作をつづけました。
とりわけ、19 世紀の写真の登場以降廃れていた
銅版画技法マニエール・ノワール(メゾチント)を再興した功績は大きなもので、
その静謐で深遠な作品は国際的に高く評価されています。
このたび当館に、鉛筆デッサンや制作段階の試し刷り、渡仏前の木版画など
貴重な作品を含む長谷川潔の作品群が一括して寄託されました。
この優れた個人コレクションの全貌をご覧いただく初めての機会となる本展では、
当館所蔵作品を加えた115 点を5 章に分け、その画業の展開をたどります。
自然の神秘をみつめる精緻な観察眼と研ぎ澄まされた描写力が
結実した長谷川潔の銅版画世界を、どうぞお楽しみください。