青柳いづみこ「パリの音楽サロン」 2023年 岩波新書
ーーベルエポックから狂乱の時代まで
「パリのサロン」はこうしたものだったのか!?
貴族やブルジョアの女主人が主宰する
趣味や嗜好の「場」、と思っていましたが、
19世紀の無名の芸術家の登竜門が
<サロン>だったのですね。
その女主人みずからピアノを弾き、
若き芸術家・音楽家を
他のジャンルの人々との交流の<場>にする。
さらにコンサートを企画し、開催し、資金を援助する!
どの貴族夫人のサロンから、
どのように音楽家として立っていったか、
ショパン、フォーレ、ドビュッシー、サティ、コクトー…、
ピアニスト青柳いづみこさんは<パリの音楽サロン>の
その場にいるかのように筆致は熱気をおびて。
青柳いづみこ「パリの音楽サロン ベルエポックから狂乱の時代まで」(岩波新書)
はじめに サロンという登竜門
Ⅰ 団扇と婦人
Ⅱ シャルル・クロ
Ⅲ ニコレ街一四番地
Ⅳ ポーリーヌ・ヴィアルド
Ⅴ ガブリエル・フォーレとサロン
Ⅵ ドビュッシーとサロン
Ⅶ サン=マルソー夫人
Ⅷ オギュスタ・オルメスとジュディット・ゴーティエ
Ⅸ ポリニャック大公妃
Ⅹ グレフュール伯爵夫人
ⅩⅠ ルメール夫人とプルースト
ⅩⅡ 六人組誕生
ⅩⅢ ジャーヌ・バトリ
ⅩⅣ 旧時代と新時代のメセナ ココ・シャネルとミシア・セール
ⅩⅤ ヴァランティーヌ・グロス
ⅩⅥ サティとマン・レイとダダイスム
◆本の紹介
今日のコンクールのように、19世紀後半、
芸術家たちはサロンから世へ出て行った。
そしてサロンは、音楽と文学、絵画などジャンルを超えた若い芸術家たちが
才能を響かせ合い新しい芸術を創造する舞台でもあった。
パリを舞台に若い芸術家たちの交流を描く。