兜太先生の<生歌>! 高崎兜太句会2016年 他界される14ヵ月前 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

兜太句会、今日の兼題は「台風」。

九月の台風続きのときに出された題なので、

ちょっと季節にそぐわない。


三句選&問題句を一句という選句。

めずらしく七点という高得点句があり、その句から合評。

 
  無花果や直情というゆきづまり

評:「直情というゆきづまり」が言い得ている。

兜太:いい句、よくできている。
   中七下五に配する「無花果」が働く。
   無花果の実がつまっているのが感じられる。


   台風北上朝日に甘き山羊の乳

これは六点句。

評:台風が北上して、その朝陽のなかで、
  ことのほか山羊の乳が甘い、と。しっかりと書かれた句。

兜太評:緊密にできた句。うまい。


   台風来ぎりぎりと人体錆びて

評:焦燥感、台風が来たときの感情、体感が
  「ぎりぎりと人体錆びて」で表現されている。

  錆びるときの音が「ぎりぎり」

兜太評:上の評がいいな。強張り。
     実感としていただけないが、これは問題句だな。
     「ぎりぎり」がどうか。
     この句は評を書けといわれたら、二ページは書ける。


これは山本掌の句。


他に選二、問題句四が

   蓑虫の軌道修正すーっと河馬へ

兜太:言葉が踊り、中味がない。河馬はやり過ぎ。


兜太先生、エネルギッシュに全句講評。



すこし早めに終リ、忘年会!

二名、忘年会からの参加。

メンバーによる一言のあと、

 

〆に先生のひさびさの<生歌>!

「特攻隊が、これを歌って、突っ込んでいくんだ」

「イヨッ、TOUTA!」と大向こうもかかる。


「来年もよろしくお願いします」と三本締めで、終了。