兜太句会、今日の兼題は「台風」。
九月の台風続きのときに出された題なので、
ちょっと季節にそぐわない。
三句選&問題句を一句という選句。
めずらしく七点という高得点句があり、その句から合評。
無花果や直情というゆきづまり
評:「直情というゆきづまり」が言い得ている。
兜太:いい句、よくできている。
中七下五に配する「無花果」が働く。
無花果の実がつまっているのが感じられる。
台風北上朝日に甘き山羊の乳
これは六点句。
評:台風が北上して、その朝陽のなかで、
ことのほか山羊の乳が甘い、と。しっかりと書かれた句。
兜太評:緊密にできた句。うまい。
台風来ぎりぎりと人体錆びて
評:焦燥感、台風が来たときの感情、体感が
「ぎりぎりと人体錆びて」で表現されている。
錆びるときの音が「ぎりぎり」
兜太評:上の評がいいな。強張り。
実感としていただけないが、これは問題句だな。
「ぎりぎり」がどうか。
この句は評を書けといわれたら、二ページは書ける。
これは山本掌の句。
他に選二、問題句四が
蓑虫の軌道修正すーっと河馬へ
兜太:言葉が踊り、中味がない。河馬はやり過ぎ。
兜太先生、エネルギッシュに全句講評。
すこし早めに終リ、忘年会!
二名、忘年会からの参加。
メンバーによる一言のあと、
〆に先生のひさびさの<生歌>!
「特攻隊が、これを歌って、突っ込んでいくんだ」
「イヨッ、TOUTA!」と大向こうもかかる。
「来年もよろしくお願いします」と三本締めで、終了。