蜷川実花「永遠の花」 小学館 2006年刊
<暴力的な色彩
非現実的な青空
そして、死>
この扉にある言葉がこの写真集を言い尽くしている。
蜷川実花が、埋葬された土に刺されている造花に
初めて出会ったのが2000年。
墓地に手向けられた<造花>。
メキシコ、グアム、サイパンなどでは、
「死者を弔うのに、照りつける太陽に、
生花では保たないので造花を使う。」とか。
その青空、強い太陽光線に
原色の造花のアップが
ぐいぐいと視ているものに迫り、
彼岸と此岸の境すら曖昧になってくるような・・・
うつくしく、そして重たい写真集。