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オペラ「ヴォツェック WOZZECK」
アルバン・ベルク(1885–1935)作曲。
3幕15場。
オペラ「ヴォツエック」は
前衛音楽で、
<貧しい床屋上がりの兵士が、鼓手長と通じた内縁の妻マリーを殺す>
という陰惨な内容。
美しいアリアや
こころに響くようなメロディはないし、
華やかな美術や衣装があるわけではない。
貧困、生体実験、錯乱や狂気、そして殺人・・・
ベルクは各幕の音楽を緻密に構成し、
作り込んだ作品。
演出はマクバーニー。
じつによくできた舞台で、
この15場を緊密に構成し
美術や衣装をふくめてシンプルで、
照明やプロジェクトマッピングを使った、場面転換もあざやか。
マリーのビストレム、
表情は抑えられ、
こころの葛藤がこのベルクの音楽から滲む。
ヴォツエックはゲルハーヘル。
この底辺にうごめいて、
生体実験のモルモットまでつとめ生きている一兵卒を
じつに貧乏たらしく、鋭く造型して、みごと。
このひりひりとした人間、
錯乱し、子までなした内縁の妻を殺す、
そこに<ヴォツェック>がいた。
マリーとヴォツェックの沼の場の緊迫感はすごい!
<出 演>
ヴォツェック:クリスティアン・ゲルハーヘル [Christian Gerhaher]
マリー:マリン・ビストレム [Malin Byström]
鼓手長:トーマス・ブロンデレ [Thomas Blondelle]
大尉:ピーター・ホーア [Peter Hoare]
医者:ブリンドリー・シェラット [Brindley Sherratt]
アンドレス:ロバート・ルイス [Robert Lewis]
マルグレート:エロイーズ・マス [Héloïse Mas]
<合 唱> エストニア・フィルハーモニー室内合唱団
ブーシュ・デュ・ローヌ聖歌隊 (児童合唱)
<管弦楽> ロンドン交響楽団 [London Symphony Orchestra]
<指 揮> サイモン・ラトル [Simon Rattle]
<演 出> サイモン・マクバーニー [Simon McBurney]
収録:2023年7月5・13日 プロバンス大劇場(フランス)