望月士郎 句集「海市元町三-一」 装画&装幀をご自身で♪ | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

望月士郎 第一句集「海市元町三-一」2023年 文學の森刊

 

ご恵与いただきました。

 

 

装画はアルチュール・ランボー、

 

炎天の蝶ランボーを万引きす     士郎

 

著者ご自身で描かれ、装幀も。

 

 

この句集名はこの句から

 

母といた海市元町三-一      士郎

 

「幻の中にありながら確かな住所を持った場所」がお好きとか。

 

 

あとがきではこのように

 

「言葉をもって言葉を越えること。

 

 俳句という小さな器に容れると、

 

言葉はひとりでに捩れ、ずれ、滲み、そして毀れます。

 

詠みながらその変形した姿を読みつつ、さらに進んでゆきます。

 

 それは表現ではなく表出といったものです。」

  

 

 

好きな句をこちらに

 

      三月のひかり水切りりりりりり      士郎

 

隣室をうすくひらいて雛の夜

 

福島県朧市朧町おぼろ

 

花の夜象のつづきはまた明日

 

朧夜を歩く魚を踏まぬよう

 

一日の皮膚うすくして桃を剥く

 

霧の駅ひとりのみんな降りて霧

 

夕花野ときおり白い耳咲かせ

 

伝雪舟伝伝雪舟雪景色

 

哀しみときに鶴を束ねて売りに出す

 

夕焼けがわたしの影を買いにくる