川野芽生『月面文字翻刻一例』2022年刊 書肆侃侃房
鮮烈な短歌で注目の川野芽生(めぐみ)掌篇小説。
2013年~2017年に書かれた作品51篇、
散文詩というか、幻想掌篇というか、
その作品世界は端正な言の葉で、
ー月の雫を凝ったようー
紡がれている。
蟲科病院/天屍節
月の鱗粉/水死/月の夜に/闇の夜に/廃世
月よりもやすらかに/闇の夜に貴方は/やわらかい兄/遠き庭より 他
◆川野芽生(かわのめぐみ)
一九九一年神奈川県生まれ。第二十九回歌壇賞受賞。
第一歌集『Lilith』(書肆侃侃房、二〇二〇年)。
小説集に『無垢なる花たちのためのユートピア』(東京創元社、二〇二二年)、
『月面文字翻刻一例』(書肆侃侃房、二〇二二年)、
『奇病庭園』(文藝春秋、二〇二三年)がある。