狂言師・山本則俊氏、
2023年11月2日に旅立たれた。
氏の狂言の舞台で忘れられないのは、
他の演者が芯で演じている、そのおり
すっと、ご自分の存在を消される!?
正面を向いているもかかわらず、
いるのに、いない
いまでも目に鮮やかに残っています。
2012年、もう11年前ですか、
狂言のワークショップを受講し、
その講師が山本則俊氏。
試演会の折、
氏みずから袴を着つけていただいたこと・・・
貴重な経験をいたしました。
合掌。
◆狂言ワークショップのブログ
「狂言と京劇を体験しよう アジアの身体」
というワークショップに参加しました。
多摩美術大学の集中講義のひとつ。
講師には大蔵流の山本則俊(人間国宝)氏と
日本と中国で活躍されている京劇の殷秋瑞氏。
社会人枠があって、この時は3人。
現役学生10名といっしょ!? 、単位がでる授業とか。
3回の講義&実技、
3回目にはなんと試演会!?
こんなメニューでした。
第1回 狂言入門―狂言の話、座ると歩く、声と台本
まず「狂言」についての講座。
猿楽から能・狂言へ。
およそ650年続いている。
現在上演される演目は200。
さっそく、動きに。
●立つ
背筋を伸ばし、軽くひざをおり、
手を脚のつけねに沿い、指をそろえてかまえる。
●歩く
立つの姿勢を移動していく感じで、
左足から歩き出す。
身体がゆれないように。
あしのうらは床を「すり足」で進み、
かかとをつけ足の指先を上にしてから、着地。
他にも方向転換などの足運び。
●座る
正座。足の裏をかさねる。
●座る→立つ
立ち上がるまず爪先立ち、
左足は床に平行、右膝を床に着け、
姿勢をそのまま(前に傾けたりしない)で、立ち上がる。
これは大腿筋の前側にきました。
これらをくりかえし、繰り返えし。
●謡&舞
「盃」
謡のことばを書いたコピーがわたされ、
一節づつ、先生のあとをつけうたう。
紙に譜面がない、というのも五線(ドレミ)でやってきたので、
軽くカルチャーショック。
口伝えでうたう時も、
口ではその音を出しつつ、
頭の中で、
ここは何度上に行った、
あるいは下がった。
ここは音を「ずりあげ」ながら、
このことばは2拍のばす、
そこは子音と母音いっしょにして、
あとで母音をいいなおしながら、3拍、
などと変換・翻訳しながら<声>にして。
(西洋音楽をやっているためか、
そんな操作・作業が必要だったりして・・・)
まず扇の扱い方から始め、
舞も一節ごとに、
先生を見ながら動きを稽古。
● 「いろは」
各々の受講生にどの「狂言」をやるか決め、
一節づつ、一回声に出し、読む。
他の演目は「しびり」、「花争」、「蟹山伏」。
以上、3時間の講座。
(じつに盛りたくさん!? ふぅ・・・)