作曲家・西村朗(にしむら あきら)氏、
2023年9月7日に旅立たれた。
お誕生日の1日前とのこと。
オペラ「紫苑物語」などの鮮烈な舞台!
萩原朔太郎を作曲され、
第44回朔太郎忌 2016年5月14日に
シンポジウム&コンサートが催された。
そのシンポジウムでの氏の発言が忘れられない。
「朔太郎の詩にはなかなか手が出せなかった。
作曲中しばしば詩句にはじき返されるような思いがした。
拓次の詩には感じなかったことである」
―西村朗『第44回朔太郎忌コンサート&シンポジウム プログラム』の「Note」より。
「作曲はそれ自体解釈であり、
時にテクストと激しく葛藤し戦うこと…」
そのブログをこちらに
◆朔太郎忌、今年で第44回となる。
「詩から音楽へmetamorphoseメタモルフォーゼ」
をテーマとし、第一部はシンポジウム。
作曲家・西村朗、西田直嗣、
司会を三浦雅士。
第二部がコンサート
西村朗「猫町」、バリトン松平敬さんの委嘱作品で、
2015年12月14日初演され、今回が再演になる。
ピアノも渋川ナタリさん。
真っ暗なステージ、
そっと忍び寄るようにバリトンが立ち、
猫の「フー」という音が闇を裂く。
ピアノが鋭角的な音を響かせ、
幻想的な猫町へ、そんな迷い込んだ町で、
朗誦、あるいは声、ファルセットで歌い継ぐ、
その緊密なこと。会場の<気>が
しずかに熱を持って満ちてくる。
テキストは朔太郎「猫町」の後半の詩文から、
西村により抽出され言葉。
ピアニストもピアノを弾くだけでなく、
猫の声あり、パフォーマンスあり、髪には猫の耳。
『青猫』の五つの詩 ~女声合唱、クラリネット、
ヴァイオリン、チェロとピアノのための~ 西村朗作品。
◆プロフィール 追悼
【追悼】作曲家 西村朗 69歳 - TOWER RECORDS ONLINE