玉三郎演出による「天守物語」を録画で観ました。
玉三郎の富姫、富姫の玉三郎と
その数々の「天守物語」舞台を
いまもくっきりと目に焼きつけています。
玉三郎演出、
「泉鏡花の世界」を敢然と表現し、見事です。
その富姫への七之助の果敢な挑戦もまた!
白露で秋草を釣る侍女たちの場から異界へ導かれ、
富姫の出のなんと凛とした佇まい。
富姫を姉と慕う亀姫(鶴松)、
このふたりのかわす言の葉の妖しく美しいこと。
まさに「お言葉の花が蝶のやうに飛びまして」。
姫路城主秘蔵の白鷹を亀姫への土産へ。
鷹を探しに来る若き鷹匠姫川図書之助と天守夫人富姫と、
千歳百歳にただ一度、たった一度の恋。
この図書之助の対する位のある権高な富姫、
「もう返すまいとおもう」と恋した富姫、
この七之助の見事なこと。
「天守物語」泉鏡花
演出:坂東玉三郎
天守夫人富姫:中村七之助
姫川図書之助:中村虎之介
朱の盤坊:中村橋之助
亀姫:中村鶴松
小田原修理:片岡亀蔵
舌長姥/近江之丞桃六:中村勘九郎
薄:中村扇雀
姫川図書之助:中村虎之介
朱の盤坊:中村橋之助
亀姫:中村鶴松
小田原修理:片岡亀蔵
舌長姥/近江之丞桃六:中村勘九郎
薄:中村扇雀