https://www.youtube.com/watch?v=NYzB6rXZOpU
長雨のこの季節、
いかにもふさわしい
「黴(かび)」という声楽曲があります。
歌曲としては6分もかかる長い曲です。
橋本國彦 作曲
深尾須磨子 詩
youtubeに友人がアップして♪
「黴(かび)」、橋本の音楽としてのとても鮮烈な作品。
とても戦前・1930年頃の曲とは思えません。
歌うと思えば語り、
あるいは唸りとなって、
そして叫ぶ。
梅雨時の陰鬱な気分が、
怒りにかわり、
その孤独な感がひしひしと迫ってくる。
骸骨のうごめくそんな幻影みえる。
詩の不気味さ、
音楽も詩とあいまって烈しくなる。
「窓かけも 机も 本箱も
憂鬱の 悲哀の 寂しさの
黴だらけになってしまった」
と静謐に曲は閉じてゆきます。
好きな曲です。
メゾソプラノ:山本 掌