この梅雨、この歌曲『黴』 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 





https://www.youtube.com/watch?v=NYzB6rXZOpU

 




長雨のこの季節、

いかにもふさわしい

「黴(かび)」という声楽曲があります。

歌曲としては6分もかかる長い曲です。

 橋本國彦 作曲

 深尾須磨子 詩



youtubeに友人がアップして♪ 

  

「黴(かび)」、橋本の音楽としてのとても鮮烈な作品。

とても戦前・1930年頃の曲とは思えません。


歌うと思えば語り、

あるいは唸りとなって、

そして叫ぶ。


梅雨時の陰鬱な気分が、

怒りにかわり、

その孤独な感がひしひしと迫ってくる。

骸骨のうごめくそんな幻影みえる。

詩の不気味さ、

音楽も詩とあいまって烈しくなる。

「窓かけも 机も 本箱も

憂鬱の 悲哀の 寂しさの 

黴だらけになってしまった」

と静謐に曲は閉じてゆきます。


好きな曲です。

メゾソプラノ:山本 掌