『オーケストラに未来はあるか』ARTES 2021年刊
「オーケストラに未来はあるか」との問いに
即「ない!」
と、答えるのは世界的指揮者・山田和樹。
音楽プロデューサーの浦久俊彦氏との
公開対談を書籍化したのがこの本。
浦久氏の膨大な知識・音楽の森羅万象、
指揮の現場からの山田和樹さんの発言。
じつに多岐にわたり、根源的な問い、
「人間とは何か?
音楽とは何か?
文化とは何か?
芸術とは何か?」
その根源へたどり、縦横無尽に語る、
そのお二人の対談がじつに面白い!
「指揮をするから音楽が生まれるのではない。
つねに音楽がさきにあるんです。
その先に存在している音楽をどう表現していくかの
ひとつの手段として指揮がある」
といった山田和樹さんの珠玉の言葉がそこここに。
そして会場の雰囲気のなごやかなこと。
目次もこう。
宇宙は指揮できるか
オーケストラに未来はあるか
プロか?アマか?
生き残るのはどっちだ?
理想のオーケストラとは?
コロナ後の文化・芸術凸凹論
浦久俊彦(うらひさ・としひこ)
1961年生まれ。文筆家・文化芸術プロデューサー。
一般財団法人欧州日本藝術財団代表理事。代官山未来音楽塾塾頭。サラマンカホール音楽監督。
フランスを拠点に作曲、音楽研究活動に携わったのち帰国。
三井住友海上しらかわホールのエグゼクティブ・ディレクターを経て、
現在、浦久俊彦事務所代表。多彩なアーティストのオリジナル企画を手がけるほか、
文化芸術のナビゲーターとしても全国で活躍している。
著書に『フランツ・リストはなぜ女たちを失神させたのか』『138億年の音楽史』
『ベートーヴェンと日本人』など。2021年、サラマンカホール音楽監督としての企画で、
サントリー芸術財団第20回佐治敬三賞を受賞した。
山田和樹(やまだ・かずき)
1979年生まれ。指揮者。東京藝術大学音楽学部指揮科卒業。指揮法を小林研一郎、松尾葉子に師事。
009年、第51回ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝。
2016/17シーズンから、モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団芸術監督兼音楽監督、
2018/19シーズンからバーミンガム市交響楽団の首席客演指揮者に就任。
2012年から2017年までスイス・ロマンド管弦楽団の首席客演指揮者を務めた。
日本では、日本フィルハーモニー交響楽団正指揮者、読売日本交響楽団首席客演指揮者、
東京混声合唱団音楽監督兼理事長、学生時代に創設した横浜シンフォニエッタの音楽監督としても活動している。