高崎兜太句会、2017年2月。
他界される1年前、
はつらつと句会に臨まれて♪
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兜太句会、1月はお休みで、2ヵ月ぶり。
『いま、兜太は』青木健著 岩波書店2016年12月刊の
著作も手にすることができた。
雄渾な自筆の署名もたっぷりとした筆で書かれている。
きょうの兼題は「早春」。
珍しく季節にふさわしい。
じつは12月に句を提出している(!?)
選句はかなりばらけ、4点が三句、
問題句で4点、2点問題句2点の句がある。
冬瓜の白濁は優しい闘志
評:この「白濁」、冬瓜にふさわしいか、どうか。
兜太:可もなく不可もない、どこかあいまいな句。
「冬瓜」でなく、もっと独特なものにかえる。
月のいろして早春の石切場
評:早春の石切場がいい。
その石が月のいろというのも独特か。
兜太:月のいろした石切場がいい。
好感、実感がある。「早春」だとあまい、ほかのものに。
<月のいろして狼の石切場>
と「早春」を「狼」にかえるのは、どうだ。
早春や私の中の犀起きる
評:「犀」がどうか。
兜太:これは「や」でなく「の」。
「早春の」でわかる。
季節と生きものとしての作者が呼応する。
早春あかつき水に眠れる青き鷹
兜太:句に格調がある。
早春「の」あかつき、と「の」をいれる。
青き鷹はわたしの句。
少年のおとがい青み春しし座
兜太:うまい句。「おとがい青み」がいい。
春「の」しし座、と「の」をいれる。
合評のあと、兜太師によりだーっと全73句を講評。
このおりに句の評価がかわることも。
「第一感、実感を信じて、書く」と強く言われた。