<「旅する能」異界を旅するワキ>
能楽師・安田登さんの講演へ♪
まずは「歌枕」と「道行」。
「日本にある「歌枕」は物語を宿した土地。
そこに足を踏み入れると、
隠されていた物語がわらわらと湧出してくる。
そんな歌枕を辿る旅をするのが能のワキです」と
安田さんは話される。
「土地に眠っていた思い出は
ワキによって目覚め、シテとなる」
その現世と霊・異界とを結びつけるのがワキ。
ワキとはその端緒をひらき、
<全身全霊で霊の思いを聴く>それがワキ、
そんな「あわい」の存在である、と言われる。
そして能『定家』を読み解かれる。
たっぷりとしたお話しに身を乗り出して聴いていると
「では、夏目漱石『夢十夜』の第三話を」と
会場を暗くして、演じられる。
そのひと呼吸で、会場がピンと張りつめた空間へ。
マイクをはずされ、
鍛えあげられた
自在な<声>を堪能。
青坊主、その父が立体的に立ち現れてくる!
<夢>が身体をもってくる!
『おくのほそ道』もとりあげられ予定でしたが、
もう時間いっぱいなのが、残念。
主催:高崎能を楽しむ会
会場:高崎たまごホール
◆安田登 下掛宝生流ワキ方能楽師
1956年生まれ。能の公演に出演。
神話『イナンオの冥界下り』での欧州公演、
『天守物語(泉鏡花)』など
能・音楽・朗読を融合させた舞台を数多く創作・出演。
100分de名著『平家物語』『太平記』講師・朗読
著書多数。関西大学特任教授。
http://watowa.net/takasaki_noh/