切ない菊之助の老母!「藤戸(ふじと)」 2022年9月 秀山祭九月大歌舞伎 @古典への招待 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「藤戸」は

 

吉右衛門が松貫四の筆名で構成演出をし、

 

川崎哲男台本による松羽目舞踊劇。


 能の「藤戸」の舞踊化。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かつてはむろん吉右衛門が務めた。

 

今回は菊之助。

 

菊之助の「美形」の女形を観てきているけれど、

 

老母はどうなのか、と。

 

 

漁夫の息子を「藤戸」の戦で、

 

馬で渡れる浅瀬を教え、そのことによって、

 

無残に盛綱に殺された。

 

息子への思いを踊り、

 

息子を返せと涙ながらに訴える

 

母親の切ないこと。

 

 

盛綱の告白を聞き、ハッと驚愕する母。

 

その心情の痛ましさ。

 

この菊之助の老母には胸を打たれました。

 

 

 

後ジテは青隈での立ち廻り。

 

能では盛綱の供養によって、

 

悪竜となった漁師の霊が自ら成仏して弘誓の船に乗る。


 又五郎の盛綱、武家としては漁夫を殺すのは定石。

 

しかし、悔い改めるその誠実さ。良かった。

 

 

彦三郎以下の四天王。

 

間狂言は、種之助、米吉、丑之助。

 

丑之助がきっちりと踊っているのが、

 

なんともかわいい♪

 

長唄は勝四郎、巳太郎ほか。 

 

 

 

 

松 貫四 構成

川崎哲男 脚本

昇龍哀別瀬戸内(のぼるりゅうわかれのせとうち)

藤戸(ふじと)
  母藤波/藤戸の悪龍
浜の男磯七
浜の女おしほ
浜の童和吉
郎党黒田源太
郎党小林三郎
郎党和比八郎
郎党長井景忠
佐々木三郎兵衛盛綱
   菊之助
   種之助
   米吉
   丑之助
   吉兵衛
   吉之丞
   坂東亀蔵
   彦三郎
   又五郎