アスミク・グリゴリアン(ソプラノ)、プッチーニ「三部作」すべて、主演! 注目のザルツブルグ音楽祭 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プッチーニ「三部作」、

 

今年2022年ザルツブルク音楽祭の話題作!

 

 

「ジャンニ・スキッキ」のラウレッタ、

 

「外套」のジョルジェッタ、

 

「修道女アンジェリカ」のアンジェリカ、

 

三作のヒロインを歌うのはアスミク・グリゴリアン!

 

 

細やかな役の造形で、まったくの別人としか思えない。

 

 

 

 

 

ラウレッタ

 

 

 

「ジャンニ・スキッキ」の

 

ラウレッタのアリア「お父さま、お願い」の可憐なこと。

 

 

 

 

 

 

ミケーレとジョルジェッタ

 

 

 

「外套」のジョルジェッタは

 

年老いた夫を捨てて、

 

若い男に走る愛欲を生々しく描く。

 

 

 

 

 

 

 

アンジェリカと公爵夫人

 

 

 

 

一転して「修道女アンジェリカ」では、

 

まるでフェルメールの画のような静謐な修道院で、

 

半ばあきらめながら、

 

報せをどこかで臨んでいるアンジェリカ。

 

叔母の公爵夫人とのドラマティックな場。

 

冷酷な公爵夫人のカリタ・マッティラがまた凄い!

 

じつに存在感がある。

 

亡くなった(と言われている)息子を思いながら

 

自殺するアンジェリカ・・・

 

(毒薬を飲み、抱いた息子は幻想なのか、現実なのか)

 

 

 

このザルツブルグのもうひとつの特筆すべきは

 

演出の クリストフ・ロイによる

 

「三部作」の順を入れ替えていること。

 

 

「外套」ヴェリズモ・オペラ、

 

「修道女アンジェリカ」悲劇、

 

「ジャンニ・スキッキ」喜劇となっているものを上記のように、

 

「ジャンニ・スキッキ」

 

「外套」

 

「修道女アンジェリカ」としている。

 

この順で観たのは初めてのこと。

 

いっそうそれぞれのドラマが、

 

くっきりと立ち上がってくるよう。

 

 

オペラ「三部作」を堪能しました。

 

 

 

 

 

プッチーニ:三部作
2022年8月 … 祝祭大劇場, ザルツブルク

[演出]
 … クリストフ・ロイ


[出演]
ジャンニ・スキッキ
 … ジャンニ・スキッキ:ミシャ・キリア
 … ラウレッタ:アスミク・グリゴリアン
 … リヌッチョ:アレクセイ・ネクリュードフ

 

 

外套
 … ミケーレ:ロマン・ブルデンコ
 … ジョルジェッタ:アスミク・グリゴリアン
 … ルイージ:ジョシュア・ゲレーロ
 … イル・ティンカ:アンドレア・ジョヴァンニー二
 … イル・タルパ:スコット・ワイルド
 … ラ・フルゴラ:エンケレイダ・シュコサ

 


修道女アンジェリカ
 … アンジェリカ:アスミク・グリゴリアン
 … 公爵夫人:カリタ・マッティラ
 … 修道院長:ハンナ:シュヴァルツ
 … 修道女長:エンケレイダ・シュコサ
 … 修練女長:カテリーナ・ピーヴァ
 … ジェノヴィエッファ:ジューリア・セメンツァート
 … 修練女オスミーナ:マルティナ・ルッソマンノ
 … 修道女ドルチーナ:ダリル・フリードマン


[指揮]
 … フランツ・ウェルザー=メスト


[オーケストラ]
 … ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団


[合唱]
 … ウィーン国立歌劇場合唱団