あの藤原新也 写真集『祈り』 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの藤原新也の写真集『祈り』Crevis 2022年刊

 

「祈り」、この雄渾な書!

 

むろん藤原の筆。

 

 

恐山の早朝、一瞬の日輪のひかりがさした、

 

まさにその瞬間だけみせる光景。

 

その荒々しいモノクロームの賽の河原のような場に

 

「祈り」の書のなんという力感!

 

 

その初期から現在までの作品を

 

「祈り」というキイワードで編んだ写真集。

 

その響きあう写真と言葉。

 

 

底知れぬエネルギーをもち、

 

なおその静寂をたたえた藤原の写真は

 

彼岸から此岸を透かす視線につらぬかれているように感じます。

 

圧倒的な作品集です。

 

 

 

◆目次

 

祈り

 

見る。撮る。触れる。祈る

てのひらのともしび。

ひとはあまねく照らされている。

だれもいない。

死ぬな生きろ。

かみさま。

 

 

 

旅のはじまりにはいつも犬の遠吠えが聴こえる。 イスタンブール

いのちをうたう。 インド

ニンゲンは犬に食われるほど自由だ。 インド

この世はあの世である。 チベット高原

南洋のさざなみ。 台湾

あの世からこの世へ。 香港

子守唄が聴こえる。 朝鮮半島

ミッキーマウスの遺言。 アメリカ

墓守の猫。 パリ

少年の港。 門司

 

 

 

いま

 

ガイア

禁足

ゆれる

自己責任

漂流

遠泳

戦士の休息

リアルタイム

わたし

整体

電車

さまよう

壊れた風景

彼岸

静寂

満開

忠犬ハチ公の孤独

辺野古浄土

日常

まゆげ

遠く鳥の声

俗界富士

ツツジの富士

奇跡

生きること死ぬこと

 

あとがき 荒野にて

 

 

 

 

出版社Crevisの紹介はこちら

 

< 1969年インドを皮切りにアジア各地を旅し、

 

『印度放浪』で衝撃的にデビューした藤原新也

 

 

アメリカを起点に西欧、そして日本へ眼差しを向け、

 

独自の視点で社会の「いま」を切取り、

 

『東京漂流』『メメント・モリ』など次々と話題作を発表し続けている。

 

 

 現代の殺伐を伝えるニュースを背に、

 

大震災直後の東北を歩き、

 

香港・雨傘運動で現場の騒乱を肌で感じ取り、

 

コロナ禍では無人となった街に立ち、

 

これまでの道程と根幹に流れる人への思いを「祈り」というテーマに込める。

 

 メメント・モリ 死を想え メメント・ヴィータ 生を想え 写真

 

文筆、絵画、書とあらゆるメディアを

 

縦横無尽に使って表現する藤原新也。>