犬は月に吠える! 「悲しい月夜」 <萩原朔太郎を朗読する>明日です! オータムコンサート | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

萩原朔太郎 詩集『月に吠える』

 

田中恭吉「夜の花」

 

 

 

犬が月に吠えている。

 

それは「青白いふしあはせな」犬。

 

 

北原白秋は

 

「月に吠える、それは君の悲しい心」と。

 

 

 

 

悲しい月夜

 

 

ぬすっと犬めが、

 

くさつた波止場の月に吠えてゐる。

 

たましひが耳をすますと、

 

陰氣くさい聲をして、

 

黄いろい娘たちが合唄してゐる。

 

合唄してゐる。

 

波止塲のくらい石垣で。

 

 

いつも、

 

なぜおれはこれなんだ、

 

犬よ、

 

青白いふしあはせの犬よ。