忌日まで草の結界泳ぎ行く 掌
この句を金子兜太先生が鑑賞され、
俳句誌「海程」に掲載されました。
こちら
忌日まで草の結界泳ぎゆく 掌
この句は<草の結界>がポイント。
<結界>とはふつうは寺の庭、境内をいう。
そこにいて、ある法悦を味わうというか、
得度を体験する場だ。
山本掌は寺ではなくて、
草ぼうぼうたる世界を自分の得度の世界と
考えているんじゃないか。
<草の>が<忌日>との関連で哀しみを誘うということになる。
普通の寺の庭だとこのような激情を
感じさせるような結界感はないが、
<草>ということだと哀しみがでる。