2021年のハンブルク国立歌劇場、
R.シュトラウスの作品「エレクトラ Elektra」
D.チェルニャコフの演出
公式トレーラー
原作はギリシャ悲劇ですが、
近現代に置き換えられています。
舞台は大邸宅の部屋となって、
趣のある家具調度を置かれています。
衣装も現代風。
この「エレクトラ」、
音楽の流れにそって演出されている、と観ていたら、
ラストがまったく違っていて、茫然。
≪父親を殺され、夫殺しの母親と愛人に対する復讐劇≫が、
エレクトラは復讐のなった喜びのあまり、踊り死すのですが、
弟オレストはさらに母、愛人、最後は妹まで殺害して
さながら家族への殺戮劇!?
◆舞台写真 たっぷり載っています
新作オペラFLASH 2021/2022[ハンブルク州立オペラ]エレクトラ | 月刊音楽祭 (m-festival.biz)
エレクトラのストゥンディーテが素晴らしい!
このたいへんな難曲の歌唱の見事さ、なんといったらいいか。
母クリテムネストラへの怒り、憎悪、父への愛をにじませ、
その狂気、繊細な感情表現、
その緊張感はすざまじいものがあります。
母クルタイネストラのウルマーナとの対峙、対決は
火花が散るほど切迫感がただならない場で、
もう歌唱、演技を越えて、<ドラマ>となっていました。
この二人の狂気にはざまに常識的な妹クリソテミスのがいる。
ホロウェイが歌って。
弟オレストはヴァサル。
血が通っていないのでは思えるほど、抑えにおさえて歌う。
指揮はケント・ナガノ。
【出演】
エレクトラ:アウシュリネ・ストゥンディーテ
クリテムネストラ:ヴィオレッタ・ウルマーナ
クリソテミス:ジェニファー・ホロウェイ
エギスト:ジョン・ダザック
オレスト:ラウリ・ヴァサル
【合唱】ハンブルク国立歌劇場合唱団
【管弦楽】ハンブルク国立歌劇場管弦楽団
【指揮】ケント・ナガノ
【演出】ドミトリー・チェルニアコフ
収録:2021年12月11日 ハンブルク国立歌劇場(ドイツ)