金子兜太先生、最後の「海程」全国大会 二日目! 2017年5月 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

金子兜太先生、

 

最後の「海程全国大会」

 

二日目はこちらにたっぷりと。

 

 

 

「海程」全国大会 <二日目>

青天に恵まれというより暑い日。

会場の中はさらに熱い。


第二次句会への昨夕までに一句を提出してある。

9時から句会の開始。

その前、午前7時までに選句をしておく。

全150句。



特別選者18名の紹介があり、

 

そのなかにわたしも入っていて、えッ!?



それぞれ選者が五句を選句。


今回、特別選者が壇上にあがり、

この特別選者を中心に句会が進行する。


まずは、19点の最高点句から

   はつなつの身体入江のようなハグ

評:映像が見える。

  「入江のような」たとえかたで句の印象新鮮。


続いて14点句

   蝶のもつれ海は程なく暮れるところ

評:「海程」を句におりこみ、

 

しずかに寂寥をいう。上手い。

  「暮れるところ」、この長いのがこの句のいのち。

この二句、わたしもいただく。


10点以上の句を取り上げ、司会がテキパキとさばいてゆく。

かなり突っ込んだ句評、活発な意見、

それぞれの<読み>で

句の印象がかわってくるのが興味深い。


   くちなわが走り野鍛冶の火を囃す

評:野趣に富む。句に通底する力感がある。

  「囃す」はどうか。




   幼名で弟を呼ぶ柿の花

   青ぶどう初対面ふといい波です


   春悠い素直な木から動き出す

   言葉になる前の手のひら青嵐



最後に兜太先生の評になる。

「<詩的体験>がどれだけ深いか。

それが句になる。

この句会のよう、いろいろの人が自由な発言があるのがいい。

司会が皆の発言をうながす。これが大会の良いあり方だ。

聞いていて私も勉強になった」と兜太先生。


3時間、密度の濃い、充実した第二次句会はこれで終了。



◆大会の画像はこちらへ
 「金子兜太」ホームページ
  http://kanekotota.blogspot.jp/2017/05/in.html