「生きて在ることの静かな明るさ 岸田将幸展」
前橋文学館で催されています。
岸田将幸さんは詩集『風の領分』で、
第29回萩原朔太郎賞を受賞されました。
この長めのタイトル
「生きて在ることの静かな明るさ」、
この展示を象徴しています。
小ぶりビニールハウスが文学館の1階に!?
「これは、なに?」
そのハウスの天井、床、側面に、
詩が!
岸田さんが読む詩が聴こえます。
ご自身の著作はもとより、
影響を受けた作家、作品も並んで。
詩ためのノートが整然とおかれ、
やはり直筆で書かれた言葉が
親しく、なかに飛び込んでくる。
床に真っ白な大きな本が置かれ、
コードを読み込むと
iPhoneに文字(詩)に詩があらわれて。
岸田さんはアスパラガス農家。
作業につかう長靴も展示♪
詩の背景がどのようなものであるか、わかります。
この展覧会の図録が充実しています。
岸田将幸の詩篇、草稿、メモ、
年譜、
インタビューも各年代ごとにⅣまで。
詩人たちの岸田詩への稿が篤い。
吉増剛造の選評「私ハ、若葉ダ」、
受賞記念講演「宿命」も載って。
表紙の凹凸のある紙、
文字の配列など、
すみずみまで神経の行き届いた造本です。
2022年5月8日(日)まで。